Antares 230

2014年10月、打ち上げ直後第一弾エンジンが爆発したことで基地に墜落したアンタレスロケットについてオービタル・サイエンシズは先日、新エンジンに載せ替えた改良型アンタレスロケットの燃焼試験を実施しました。

アメリカのオービタル・サイエンシズは先月31日、アンタレス130からエンジンを新たに載せ替えた改良型アンタレス230ロケットの燃焼試験を実施したと発表しています。この試験では約30秒間の燃焼試験が行われ必要な推力は発生しているか、またアビオニクスや制御システムなど打ち上げに必要なシステムがすべてテストされたとしています。

Orbital ATK Conducts Test of Antares First Stage | NASA



前回打ち上げに失敗したアンタレス130と今回のアンタレス230の大きな違いは第一段エンジンです。アンタレス130は40年前に作られた旧ソ連製のNK-33(НК-33)を改良したAJ26-62を搭載していたものの、アンタレス230ではロシア製のRD-181に変更されました。

▼アンタレス130、AJ26-62
Antares 130 AJ26-62
▼アンタレス230、RD-181
Antares 230 RD-181

RD-181はロシアのNPOエネゴマシュが製造したRD-191の輸出型モデルになります。アンタレス230はより強力なRD-181に載せ替えたことにより全体的な打ち上げ能力は2割向上しています。ただし、このアンタレス6号機に関しては燃料タンクの設計がアンタレス130のものとなっており今回に限ってはエンジンの出力を抑えた状態で打ち上げが実施されるとのことです。

同ロケットに関しては今後2週間あまりデータを解析したのち2016年7月頃に打ち上げが実施されます。