月

これまでの研究から月には少なからず水があることはわかっていたのですが、イギリスの大学が発表した論文によると、月には最大で1000兆トンもの水があるとする内容になっているそうです。

イギリスのオープン大学ジェシカ・バーンズ氏らによると研究によると、月の内部つまり月全体に含まれれる水の量としては実に1000兆トン、また月の表面では50mのオリンピックプールサイズの100万倍、およそ10億トンほどの凍結水が眠っているとしています。

月に最大1000兆トンの水、小惑星由来か 研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

月に水に関しては2008年、NASAが行ったエルクロスのミッションで月の南極付近のクレーター内部に探査機エルクロスの下段セントールを激突させたところ巻き上げられた350トン以上のチリから約100kg分の水が含まれていたことがわかっていました。

このような研究結果からバーンズ氏らはこの水がいったいどこからもたらされたものなのか研究を進めたところ、月が誕生した地球に火星サイズの天体が衝突した45億年前のジャイアント・インパクト以降、数千万年にわたり水を豊富に含む小惑星『炭素質コンドライト』が月と地球に大量の降り注いだことがわかったと主張しているそうです。
その後いったいどの程度の量が月に残っているのか計算し1969年以降NASAが月から持ち帰った月のサンプルから推定した結果、1000兆トンという数値が出てきたそうです。

またバーンズ氏にとると特に採掘しやすい地表付近の凍結水についてはこれまでも指摘されている月の南極に分布しているとしており、その多くが太陽光の影に隠れるクレーター内部に存在している可能性が高いと話しています。

ただ、ここでいう『水』に関しては1つの酸素原子と1つの水素原子から成るヒドロキシ基で分布しているといわれており、これに関しては太陽風により月の酸素原子と結合した後に小惑星の衝突によりガラス粒子内部に閉じ込められたとされています。