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アメリカの民間宇宙ベンチャー『スペースX』は自社が開発したロケット及び宇宙船を使用し2024年に有人火星探査を実施すると発表しています。仮にこの計画がスケジュール通りに進んだ場合、火星に一番乗りするのはスペースXの宇宙船ということになりそうです。

SpaceX CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は2日、カリフォルニア州で開催された大手メディア主催のコンファレンス「Code」に出席し、開発中の垂直離着陸能力を有した有人宇宙船「Dragon V2」を使った無人による火星飛行を2018年中に実施することを発表した。

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スペースXが火星無人を行なう計画は2015年9月にイーロン・マスク氏のツイートで初めてその計画が明らかになり2016年2月には「2025年までに人を火星に到達させたい」と公に口にするなど火星無人・有人探査計画が発表されていました。今回の発表は当時今年中に詳細を発表するとしていた続報ということになります。


2018年の火星有人探査計画では火星地表の1mほど下を採掘できる機器を搭載し持ち帰るというサンプルリターン計画になります。イーロン・マスク氏によると使用される宇宙船はドラゴンV2としており、無人レッド・ドラゴンの火星飛行が成功した場合2024年にも宇宙飛行士を載せ火星有人飛行を行なうとしています。

気になるのは火星有人飛行が火星を通過して戻ってくるフライバイになるのか、それとも着陸になるのかという大きな違いがあるのですが「フライバイ」という文字がないことから着陸になるものと考えられます。

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一方、同じく火星有人探査を計画しているNASAは「一体、何をやっているのか」という点について、実はこの計画はNASAが2011年の時点で計画していたもので名前も「レッド・ドラゴン」。計画の内容についてもほぼ同じスペースXの宇宙船とロケットを使用するというものになっています。

両者の関係については「火星への大気圏突入、下降、着陸に関するデータをスペースXから提供してもらう代わりにNASAからはスペースXの無人宇宙船ドラゴン2を火星に着陸させる計画への技術サポートを行う」としておりやり取りされるのは技術だけであり金銭的なものはないとしています。

NASAは昨年12月から今年2月にかけ火星有人探査に向けた宇宙飛行士を募集しており来年にもその候補が発表されるとしています。つまり着実に2024年の有人探査に向けた計画は進んでおり計画が順調に進んだ場合アメリカ単独による火星有人探査が実施され火星への一番乗りは月に続きアメリカ人ということになることはほぼ確実です。