
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は重量100kgの人工衛星を宇宙に送り込む専用のロケットの開発を発表しました。早ければ今年度中の打ち上げを実施するとしており新たに小型衛星打ち上げという需要に応えていくとしています。(写真はS-520)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、観測用小型ロケット「SS-520」を改良したロケットで超小型衛星を打ち上げると発表した。ロケットの全長は9.54m、重量は2.6tで、人工衛星を打ち上げる宇宙ロケットとしては世界最小だ。JAXAにより発表された新型ロケットはは観測ロケット『SS-520』を改造した人工衛星打ち上げ用ロケットです。ここでいうところの観測ロケットとは一般的に地上から発射され大気圏内の地上50kmから国際宇宙ステーションよりも高い地上高度数百キロまで上がったのち落下するもので、この間に様々な観測・実験を行なうロケットになります。
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▼S-520

記事によると、JAXAはSS-520を改造することで人工衛星を地球軌道に投入することができる能力を付与するとしています。具体的にはS-520を改良したSS-520の派生型となり新たに3段目を追加することで小型衛星を打ち上げる能力を持たせます。1回あたりの打ち上げコストや打ち上げ能力等は不明です。
ここ最近、観測機器の小型化・高性能化が進み小型衛星を打ち上げる需要が高まっており最近のものとしてはアメリカではエアロジェット・ロケットダイン(エアロジェットとプラット& ホイットニー ロケットダインの合弁)が開発したスーパー・ストライピ(SPARK)とうものがあり昨年11月に初打ち上げを実施していました。(参考)
多くの宇宙機関、ベンチャー企業が比較的大型ロケットを投入するなか小型衛星の打ち上げという一定の需要があるロケットの開発を行なうことになったJAXAなのですが一般的に行われる大型ロケットの乗り合わせに比べてコストを抑えられるのか今後の課題になると考えられます。