X-57

アメリカ宇宙局(NASA)が開発した次世代電気航空機について『X-57(Maxwell)』と命名したことが明らかになりました。X-57は2基の中型プロペラと12基の小型プロペラを搭載するという非常にユニークな航空機となっています。

NASAは、両翼に取り付けた合計14基の電気モーターの出力で飛行を行うことを可能にした新方式の電気飛行機「X-57(Maxwell)」と命名したことを発表した。

Xプレーンは、1947年に開発されたロケットエンジンを搭載した有人の超音速機の実験機「X-1」から長い伝統を持つ、先端技術実験機に付けられてきた名称ともなる。

BusinessNewsline
アメリカ宇宙局(NASA)が今回発表したのは「X-57(Maxwell:マックスウェル)」という航空機です。この航空機は現在一般的なプロペラ機の動力として搭載されているターボプロップエンジンは搭載されておらず替わりにバッテリーとモーターで飛行するという電気航空機という特徴があります。そして他の航空機にはない大きな特徴として14基のプロペラが搭載されているという点です。

従来の航空機には1基~4基のプロペラやターボファンエンジンが搭載されているものの、X-57では14基という構成になりました。実はこれはNASAが2015年より以前に研究を進めている技術になります。

私達がよく目にする航空機は大出力のエンジンを搭載し数基のプロペラを動かしていたのですが最新の研究によるとこの方式は必ずしも効率が良いとは言えないことが分かっていました。そこで、NASAが複数のプロペラを搭載した機体を試験的に開発した機体がこちらのX-57になります。

▼地上テスト(2015年)
image_29

▼2016年2月に発表された機体
image_30

▼そしてこちらが最新のX-57になります。
image_31

見ての通り翼先端のプロペラが変更されており、全体でプロペラ数を4つ減らし中型のプロペラが2基が搭載されました。この変更については離陸や着陸を効率的に行なうためだとしています。

NASAによると同規模の航空機と比較した場合、比較できるすべての航空機より騒音が小さいという特徴があるとのことです。また巡航高度を飛行するエネルギー効率が極めて高く、全体的な運用コストを40%程度削減できるとしています。

NASAとしては開発したX-57を使用し一般的な航空機との飛行特性やエネルギー効率を比較し、新しい時代の乗り物として実用性の検討を進めるとしています。