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中国が今後開発を目指す宇宙ステーション「天宮(てんきゅう)」について、国連加盟国であれば申請をするだけでどこの国でも利用できるという協定を結んだと報じられています。

中国の宇宙機関となるCMSA(China's Manned Space Agency)と国連大気圏外平和利用委員会(Committee on the Peaceful Uses of Outer Space)は16日、ジュネーブにおいて、中国の宇宙ステーションの平和目的での国際共同利用で協定を結んだことを発表した。

BusinessNewsline
BusinessNewslineによると、中国が独自開発する宇宙ステーション『天宮』について今月16日、スイス・ジュネーブで平和利用目的に限り宇宙ステーションを開放するという国際共同利用協定を結んだとしています。

その詳細は明らかになっていないものの、天宮は2018年から22年にかけ全長14m前後のコアモジュール(居住区)となる「天和」を打ち上げ2つの実験モジュール「問天」「巡天」を結合部にドッキングさせる計画です。この結合部には中国版有人宇宙船『神舟号』が、コアモジュール「天和」についてはその後方に無人補給船「天舟」がドッキングできるポートが備わっています。
規模に関しては国際宇宙ステーションよりもはるかに小さく現在は存在しない旧ソ連の宇宙ステーション『ミール』よりも小型になっています。

▼天宮の全体像
天宮

記事によると、国連加盟国であれば申請をするだけでどの国利用することができる国連認定の国際宇宙ステーションになるとしており、主に発展途上国を中心に利用が進むのではないかと予想しています。

国際宇宙ステーションに関しては2024年末に引退するといわれており、ロシアに限っては国際宇宙ステーションからロシアのモジュールを分離しあらたに打ち上げたモジュールを結合させることで2025年以降も独自運用を目指す考えを示しています(参考)。アメリカに関しては月軌道に国際宇宙ステーションを建造する案が報じられている程度なのですが、これは火星有人飛行を成功せる中継基地となるとされています(参考)

中国の『天宮』に関しては宇宙船の仕様上、滞在できる乗員は3人~6人になると考えられるのですがコアモジュールの仕様や宇宙船のドッキングポートの関係で国際宇宙ステーションのような長期滞在実験が行えるのかは不明です。