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1980年代、太平洋に面したアメリカ西海岸カリフォルニア州に建設されたのはディアブロ・キャニオン原子力発電所です。しかし、この原発の運転をめぐり最近大きな動きがあったと報じられています。

カリフォルニア州サンルイスオビスポ郡にあるDiablo Canyon Nuclear Power Plant(ディアブロ・キャニオン原子力発電所)の発電事業者となるPacific Gas & Electric Co.(パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック)社は21日、2025年までに原発を閉鎖することで環境保護団体と合意に至ったことを発表した。

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ディアブロ・キャニオン原子力発電所は1985年(1973年に完成)と86年に2基の加圧水型原子炉を稼働しました。しかし、建設後に原発の施設付近に複数の断層が存在していることが分かったことや、地震多発地帯でもあり海岸線沿いに建設されていることで原発津波に対するリスクが大きすぎるという問題から過去に度々大きな問題が発生していたといいます。

2025年に閉鎖することが決定した理由はこのような自然災害に対する構造強化など安全対策費用や下落を続ける原油価格等を考えた場合コストパフォーマンスが悪いことが分かり事業者となるパシフィック・ガス・アンド・エレクトリックはあっさりと閉鎖を決定したとしています。

ディアブロ・キャニオン原子力発電所については地震に対する構造強化で2基ある原発に対し1基の設計図を使用しもう1基にはそれを反転して工事を進めるよう雑な対応を行っていました。そのようなこともあり、2基とも全く同じ補強をしてしまうという工事ミスが発覚しています。
また1981年には2週間で1,900人の活動家が逮捕されるという米国最大の反原発活動が発生していました。

ちなみに廃炉後に関しては送電網を再利用し太陽光発電といった再生可能エネルギーによる発電所が建設されるとのことです。