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中国航天工業公司が開発した新型ロケット長征7号について今月25日夜、初打ち上げが行われ試験に成功したと発表しています。このロケットは長征2号など中型ロケットの後継機となる予定です。

中国の複数メディアによると、今月25日午後8時(日本時間同日9時)、中国南部に位置する海南省『海南文昌衛星発射センター』から長征7号(LM-7)初号機の初打ち上げが行われ、20分後に目標の高度に達し打ち上げに成功したと報じています。

长征七号运载火箭首飞成功|长征七号_新浪新闻

長征7号ロケットは打ち上げ重量10~20トン(低軌道)の能力をもつ中型ロケットで長征2号Fの後継機にあたります。スペックとしては長征2号Fが有害なヒドラジン燃料を使用していたのに対し長征7号は推進剤にケロシン、酸化剤に液体酸素を使った一般的な液体燃料ロケットとなりました。

ロケットの一段目には4基の液体燃料ブースターを取り付けられており打ち上げに応じて2段構成から3段目を追加することができます。全長は52m(有人57m)で重量は579トン(有人582トン)、打ち上げの能力は低軌道に13トン(有人12.5トン)となっています。



長征7号については中国が今後開発を目指す宇宙ステーション「天宮(てんきゅう)」(参考)の貨物輸送船『天舟』の打ち上げに使用される他、有人宇宙船の打ち上げににも使用が予定されています。また今年の7月から9月に天舟のドッキング実験が行われる予定となっておりこの打ち上げに関しても長征7号が使用される予定です。

また中国は今年9月の打ち上げに向け『長征5号』という重量物運搬ロケットが開発されており、こちらのロケットは現在運用されているロケットの中では最大の打ち上げ能力を誇るアメリカの『デルタⅣヘビー』に次ぐとされており、打ち上げ時の重量は約800トンになるといわれています。

▼発射台に向かう長征7号
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