ハッブル宇宙望遠鏡

1990年4月に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡についてアメリカ航空宇宙局(NASA)は2021年までの運用期間延長を正式発表したと報じられています。

これまでも数々の美しい天体写真を私たちに送り届けてくれたハッブル宇宙望遠鏡。すでに打ち上げから26年以上たった今でも、現役で活躍し続けています。そしてなんと、NASAはハッブル宇宙望遠鏡の活動期間を5年間延長し、2021年まで稼働させ続けるプランを発表しました。

sorae.jp
地上約560km。国際宇宙ステーションよりも高い高度を周回し続けているのはみなさんの身長よりも大きい2.4mの主鏡を搭載した宇宙の天文台ハッブル宇宙望遠鏡です。この人工衛星について稼働期間が更に延期され2021年までとなったと報じられています。

記事によるとハッブル宇宙望遠鏡は2018年に打ち上げられるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(主鏡のサイズは6.5m)にその座を譲ることになっていたものの、実はこちらの望遠鏡は主に赤外線を使用した観測になりハッブル宇宙望遠鏡のように赤外線から可視光、そして紫外線といった幅広い波長の観測はできない仕様になっているそうです。
そのため今回の発表については特に天文学者からは歓迎する声が上がっているとしています。

▼修理により補正された写真
ハッブル宇宙望遠鏡_1

ハッブル宇宙望遠鏡と言えば打ち上げたものの鏡に僅かな歪みが生じておりソフトウェアの修正では補正できないという致命的な問題を抱えていました。そのためアメリカはスペースシャトル「エンデバー」(STS-61/OV-105 )を使用し宇宙飛行士の船外活動で修理を行なう『史上初の軌道上での衛星修理』を実施することが決定しました。この修理は大成功となり極めて高精細な写真が地上に送信されることになりました。

実はその後も何度かハッブル宇宙望遠鏡の元にスペースシャトルは向かっており修理の回数は5回となっています。

ちなみにハッブル宇宙望遠鏡の開発から修理に費やした費用は25億ドル(約2,500億円)でジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に関しては開発から運用終了まで88億ドル(9,000億円)の費用がかかるとされています。

▼ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した『わし星雲』
わし星雲