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昨年、アメリカ航空宇宙局(NASA)は火星の斜面で今も水が流れている証拠を見つけたと発表していた件について、火星探査車キュリオシティを使用し観測に向かう計画を新たに発表しています。

NASAが、火星探査ローバーCuriosityを操作して、火星にある液状の水を確認する計画を発表しました。この計画は今後数か月のうちに承認するかどうか判断されるとのこと。NASAは2015年9月、火星のクレーター斜面に暖かい時期だけ現れる無数の色の濃い筋(Recurring Slope Lineae : RSL)が、液体の水がにじみだしたものである可能性が高いことを発表しました。今回の計画では、まず最も近いゲール・クレーターへCuriosityを向かわせます。

Engadget Japanese
NASAが昨年9月29日に発表した“斜面に水が流れている証拠”というのは火星の軌道上で地上を観測している火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」により得られた成果で、これによると火星にあるクレーターといった崖の縁から下方向に黒っぽいスジのような模様が無数に確認されました。これについて分光計を使用し詳細に観測したところ、水の分子を含む過塩素酸塩や過塩素酸マグネシウムが確認されました。


火星では過塩素酸塩を含んだ水は、マイナス70度~20度前後まで液体の水として存在することができるとされる一方これが本当に水を含んでいるのか、何らかの自然現象で作られた模様なのかはもっと接近し観測する必要があると判断されたそうです。。

もちろんこのミッションは当初キュリオシティが行なうとしていたものではないため今後探査内容が精査されるということになるのですが、仮に承認され場合は1年以内にその成果を発表できるとしています。

ただし、キュリオシティがRSLに直接出向き観測した結果、このエリアが地球由来の微生物つまりキュリオシティに付着していた地球の微生物が繁殖するという環境汚染が心配されることからRSLから少なくとも数km離れた地点で観測を行なうとしています。

火星で水が流れる謎

火星では地球や衛星タイタンのように液体が循環していないと言われておりクレーターといった標高の高い山肌からどのようにして水が流れ出しているのでしょうか。その原因の一つとして『潮解』があります。潮解とは空気中の水分を取り込み自発的に水溶液となる現象で私達の身近なものとして電気を使わない除湿装置があります。 
NASAによると火星で確認されている過塩素酸マグネシウムや過塩素酸ナトリウムにより潮解が発生し火星の季節に応じて暖かくなったところで液体として流れ落ちると考えています。

▼Recurring Slope Lineae(RSL)
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