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先日、鳥類の進化を知る上で極めて貴重な発見がありました。この琥珀はミャンマーで発見されたものなのですが私達の身近にいる『鳥類』の翼でありその構造が分かるという歴史的な発見となったと報じられています。

ミャンマー北部カチン州のフーコン谷。琥珀といえばロシアなのですが、あまりしられていないもののミャンマーのフーコン谷も琥珀の産地として有名だといいます。そして先日極めて貴重なものを閉じ込めた琥珀が発見され話題を集めています。

恐竜時代の鳥の翼、琥珀の中でありのまま保存 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

▼翼の琥珀が見つかったフーコン谷
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発見されたのは2つの琥珀でいずれも約9900万年前のもので白亜紀末の大量絶滅で姿を消したエナンティオルニス類という鳥類であるとしています。エナンティオルニス類は全世界に50種以上が繁栄していたといわれていいるものの白亜紀末の大量絶滅ですべて姿を消しました。一方で生き延びた真鳥亜綱が現代のスズメや鳩、カラスといった鳥類になったと考えられています。

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この研究は中国・カナダ・英国・米国の科学者による国際チームにより行われており、X線マイクロCT結果による琥珀の中の個体は幼鳥と判断されました。また驚くべきことに羽毛の特徴や骨の構造にいたるまで現代鳥類のそれと酷似していることが初めて分かったとのことです。
また化石では分からなかった模様や色、配列といった構造がそのままの状態で残されており少なくとも9900万年前には現代鳥類と極めて近い羽根を既に持っていたことも分かりました。


恐竜は主に竜盤類と鳥盤類に分類されており有名な肉食恐竜ティラノサウルスや現代の鳥類はこの竜盤類に属しています。恐竜と鳥類は彼らにしか確認されていない極めて優れた肺機能『気嚢』を持っていることが明らかになっている他、くちばし等の構造からも少なくとも恐竜というカテゴリーから進化したことは間違いないとされています。
つまり私達が目にする鳥類は恐竜から進化した種であり、白亜紀末の大量絶滅を生き延びた恐竜とも言われています。