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私達の太陽系には1つの太陽つまり恒星があるのですが、なんと宇宙には3つの太陽が存在する惑星系が存在するそうです。複雑な軌道を描いていることがわかった新たな惑星系HD 131399について紹介します。

7月7日に科学誌『サイエンス』に発表された論文によると、この惑星HD 131399Abは大きさが木星の4倍もあり、直接画像を撮影することができた数少ない太陽系外惑星の1つ。そしてこの星から見上げる空では、3つの「太陽」(大きい方から順に131399A、B、C)が複雑怪奇な動きをしているという。

NATIONAL GEOGRAPHIC
チリに建設された超大型望遠鏡『VLT』を使用した観測により発見されたのはHD 131399という三連星を公転するガス惑星HD 131399Abです。
発見したアリゾナ大学の大学院生ケビン・ワグナー氏によると、この惑星系はHD 131399Aという太陽系でいうところの太陽にあたる巨大な恒星の周囲を質量にして木星の4倍あるガス惑星HD 131399Abが公転しているといいます。しかしその外側、太陽系で比較すると太陽と冥王星の2倍の距離に131399BとCといういずれも核融合により光り輝く恒星であり、2つの恒星は『冥王星とカロン』のようにダンスをするかのように共通重心の周りを公転しています。



ワグナー氏によるとこの惑星系が誕生した理由について外側にある2つの連星はもっと内側にあったものの何らかの原因によりこの軌道にまで押しやられた説が有力だと話しています。ただ、この惑星系が今後何億年も保つ可能性は低いとされ、特にガス惑星が公転しているエリアは3つの太陽の重力により不安定なエリアとなっているといいます。
事実としてガス惑星の公転軌道は正確に分かっていないとした上で「今後数千年から1万年で(惑星系の)外に放り出されてしまうと考えられます」と説明しています。

今回発見されたのは1つの惑星系に3つの恒星があるという3連星になるのですが、これまでの観測では6つの恒星があるという6重連星系も発見されています。また太陽の近傍にある恒星系、つまり夜空に輝く星に関しては2連星つまり太陽が2つある恒星系が実に5~60%を占めており珍しい存在ではないとしています。そのうちおよそ10%に何らかの惑星が公転している惑星系になっていると考えられています。