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民間宇宙旅行を目指すヴァージン・ギャラクティックはパイロット1名が死亡した墜落事故以来およそ1年8ヶ月ぶり2号機による飛行試験を再開すると発表しました。 同社は2017年からより本格的な飛行試験を実施するとしています。

Engadget Japaneseによるとイギリスのヴァージングループが創設した民間宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティックは2016年8月から2号機となるスペースシップツー『VSS Unity』を使用した飛行試験を再開すると発表していると報じています。

事故を乗り越え、ヴァージン・ギャラクティックが飛行テストを再開へ。2017年には宇宙機単独飛行も実施 - Engadget Japanese

8月から実施される具体的な試験内容は報じられていないのですが、2017年からはエンジン出力を100%にした試験を実施するとも書かれていることから親機となるホワイトナイトツーに搭載し上空で切り離しそのまま滑空した後着陸するという初歩的な試験から行われるものと考えられます。

スペースシップツー『VSS Unity』は今年2月に発表された機体で将来的には一般客を乗せ高度100km以上のサブオービタル、弾道飛行による宇宙旅行を目指します。

スペースシップツーの墜落事故

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スペースシップツーの1号機については2014年10月31日に行われた飛行試験で機体が空中分解する事故を起こしています。搭乗していた2名で機長は機体から投げ出されたことで奇跡的に生還、副操縦士は機体と共に落下し死亡しています。墜落の原因については副操縦士が行った『フェザリング』という翼を持ち上げるエアブレーキで無理な力が加わったことで機体が破損し墜落しました。

2014年10月31日に発生した事故の時間
10:07:19 母機ホワイトナイトツーから分離
10:07:29 ロケットエンジン点火、異常振動発生(分離から10秒後)
10:07:31 飛行速度マッハ0.9 副操縦士の判断でフェザリング開始(分離から12秒後)
10:07:34 空中分解(分離から15秒後)

副機長が通常とは異なる誤った判断そして操作を行った理由は機体、特にエンジンの欠陥とされアメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)は『経験したことがない機体の異常振動により判断を誤り墜落した』という報告書を公開しています。
スペースシップツーについてはハイブリッドエンジンが1基搭載されているものの過去の飛行試験でも異常振動が発生しており劣悪なものだったといわれています。