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沖縄本島北部、国頭郡国頭村に建設された世界初の海水揚水発電所『沖縄やんばる海水揚水発電所』について、需要やコスト面で採算が合わず廃止することが正式に決定したと報じられています。

電源開発(本社・東京、Jパワー)が沖縄県国頭村安波で運転してきた「沖縄やんばる海水揚水発電所」が、19日付で発電所として廃止されたことが25日分かった。同発電所は国が建設費320億円を投じて1999年に完成。離島など海洋地域に適した再生可能エネルギーシステムとして実用化を目指してきたが、沖縄電力との売電交渉が不調に終わるなど商業ベースに乗せることが見通せず、電源開発は施設の継続を断念した。

琉球新報
日本各地にある揚水発電。高低差のある2つの池(ダム湖)を利用し、夜間に水を汲み上げ電力需要が多い日中に水を流し発電するというものなのですが、沖縄県にある『沖縄やんばる海水揚水発電所』は文字通り淡水ではなく海水を使用した世界初の揚水発電所です。

同発電所は海岸から約600メートルの内陸部、標高150メートルの位置に幅252メートル、深さ25メートルの正八角形構造の上部調整池を建設。地下に配管から発電施設を通り海岸に取水・放水口を設置しここから海水を流し汲み取りと排水を繰り返します。発電能力は1万世帯分、30,000キロワットの出力を最大で6時間継続できました。

1999年3月から5年間の実証実験を行い2004年より電源開発が発電運転を開始。沖縄電力は電源開発と2014年までの契約を結び主に緊急時対応能力など研究データを収集を行っていたといいます。しかし、2014年度以降は施設の運転を停止していたといいます。

電源開発によると同施設は今年度中にも解体工事に着手すると発表しています。