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毎年冬の時期になると酷くなる中国の大気汚染。10数メートル前も見えないという人体に有害なスモッグに都市部は覆われ、PM2.5が日本といった周辺国に撒き散らされているという状態なのですが、中国メディアによるとこのスモッグについて北京市は自然由来の気象現象による災害と同じ枠に入れる案が検討されているとのことです。

中国で発生する大気汚染。原因として自動車や産業活動、また冬に入る頃に毎年深刻化する理由は家庭で使う暖房用の石炭とも言われています。
スモッグは大気汚染物質が浮遊することにより見通しが悪くなっている状態を指す言葉なのですが、これは自然由来の天災ではなく人為的な人災にになります。しかし、北京市では気象現象により発生した大雪や大雨、高温、低温といった天災の枠に大気汚染が原因により発生するスモッグも気象災害も同じ枠に入れる案が提唱されているそうです。

北京市がスモッグを気象災害として扱いを検討、専門家は「人... - Record China

記事によると、今年5月に行われた北京市の第14回人民代表大会常務委員会第27回会議でスモッグを気象災害に入れるという「北京市気象災害予防条例(草案)」が審議されたそうです。そして7月20日に改めて審議されたところ、大雨、大雪、寒波、強風、砂嵐、煙霧(スモッグ)・・・等により人身や財産、社会機能、生態環境に損害が生じる事案を気象災害と定義すると調整されたとしています。

▼北京市の解釈によると排ガスによる視界不良も気象災害と定義される
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この判断に関して中国の中国環境科学研究院の研究者は「スモッグは人為的な大気汚染によるものであり、自然に発生するものではない。人災を天災に置き換えるべきではない」、「スモッグを気象災害として予防措置をとっている国などない」と主張しているといいます。


実は過去には中国政府は「大気汚染は自然災害」と意味不明な解釈をしていたことが明らかになっています。これは2014年1月7日に中国政府が発表した『2013年に発生した自然災害による被害のまとめ』というもので、そこには「(大気汚染は)中国の中東部で発生し、8月以外はいずれの月も過去最多の発生日数を記録。特に1~3月と8~12月が深刻だった」などと自然災害と同じように扱われていました。