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巨大な風車を回し発電する再生可能エネルギーの一つ風力発電所。主に陸に設置さる場合がほとんどですが、アメリカでは海底に固定せず浮いた状態で発電する最新の浮体式洋上風力発電を大規模導入が計画されているそうです。

Trident Windsは南カリフォルニアのPoint Esteroの沖合に33マイルの洋上に合計100基の浮体式洋上風車(floating offshore wind systems)の設置することで、出力650MWの再生エネルギー発電所「Morro Bay Offshore」の運営を行うことを発表した。

BusinessNewsline
カリフォルニア州沖53kmの地点に建設計画が発表されたのは浮上式洋上風力発電(FOWS)『Morro Bay Offshore』です。計画しているTrident Windsによると、この地点は8.5m/s(時速30.6km)の安定した風が吹いていることが確認されており、1基あたりの出力が6MWの風力発電を100基を1km間隔で設置します。同社によると安定した風により陸上に設置するよりも最大で50%多い発電量を確保することができるとしています。想定されている出力は650MWです。

従来の洋上風力発電と異なるポイントは海底に固定されていないことです。設置方法は海底に固定されたアンカーからケーブルを引き浮上式洋上風力発電を浮いた状態で維持するとしています。これにより建設期間も短縮することができ、固定式とは異なり撤去する手間も容易になることを挙げています。

気になる建設コストは、陸上に設置される風車1MWあたり400万ドル(約4億円)に対し2倍以上の900万ドル(約9億円)になるとしています。
Trident Windsの計画によると、今後資金調達を進め2021年から風車の製造を開始、2025年までに発電を始めたいとしているそうです。また将来的に50基をプラスした150基にすることで出力1000MWにすることを目指しています。


前回お伝えしたようにアメリカは世界第2位の風力発電所の設備容量があるのですが、設置されているのはすべて陸上となっています。世界的に見ても洋上風力発電はほとんど建設されていないのですが、これは建設コストが高くや建設期間が陸上に比べ長いことそしてEUなど一部国家を除き大規模な風力発電所を設置できる遠浅な地形が無いというのが主な理由です。

浮体式洋上風力発電に関してはイギリス、スコットランドがノルウェー最大の国営エネルギー企業『スタトイル』と契約し2017年の稼働を目指しています。

▼スタトイルの浮上式洋上風力発電『Hywind』