
鳥も猫も人間も動物であれば必ず睡眠をとっていますが、その一部にはちょっと変わった睡眠をとっている種がいるそうです。今回は鳥の睡眠なのですが、一部には飛びながら寝ているという信じがたい生態が明らかになったそうです。
これまで、ある種の鳥はものすごく長時間飛び続けるので、「飛びながら眠る能力」があるのではないかと考えられてきました。ただそれはあくまで推測に過ぎず、確証はなかったのですが、新たな実験でその証拠が確認されました。飛びながら眠れる鳥が、本当にいるんです。マックス・プランク研究所はこれまで証明されていなかった飛びながら眠る鳥に関して世界で初めて脳波観測から証拠を得ることができたと発表しています。記事によると、同研究所の研究チームはチューリッヒ大学やスイス連邦工科大学の研究者と共同で鳥の頭に取り付けるデバイスを開発。これにより脳波と首の動きを詳細に観測することが可能となりました。
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今回被験体となったのはグンカンドリ(軍艦鳥)です。グンカンドリは大型の種で、翼を広げた大きさは人間の身長よりも大きい2mとなっています。
グンカンドリに搭載された観測結果としてまず、ある個体に関しては3,000kmを休みなく飛行するという驚くべき飛行性能が確認されました。ではその間どのように睡眠をとっているのかという点に関して、日没後に短時間とることがわかりました。グンカンドリは日没前は獲物を探すモード、日没後は体を休め滑空を多くとる飛行モードに切り替えており、この間短時間の睡眠をとっていました。
具体的には1日の睡眠時間は平均して42分。脳全体が睡眠状態になる熟眠状態でも飛行し続けていたことが確認され、半球睡眠という右脳と左脳が交互に睡眠状態に入る時に関しては気流に乗りグルグルと旋回している時に脳が活動している方の目だけを開き飛行し続けていました。
半球睡眠は哺乳類でも確認されており代表的なのはイルカです。イルカは水面にでて呼吸する必要があり捕食者から身を守るため、左脳右脳を交互に停止し片目を開け警戒し続けています。
また動物が睡眠時に入るレム睡眠があります。レム睡眠時には体の筋肉が緩んでしまうため半球睡眠をとる動物にはいないとされていたものの、グンカンドリは数秒間レム睡眠に入っておりこの間首が下に垂れるということがあったものの飛行には問題なかったとのことです。
またアマツバメや鳴禽類(スズメなど)、シギ、海鳥(アホウドリなど)の一部に関しても半球睡眠があると言われているものの証明されていないとのことです。
グンカンドリはもちろん地上で眠るときもあるのですが12時間も眠り続けることが確認されているとのことです。