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テレビCMでよく見かける衝突被害軽減ブレーキ。このシステムに関しては完全に停止するものとそうではないものが導入されているのですが、そのうち『完全に停止する』と謳うものであっても速度によっては4割が衝突するという研究結果が報告されています。

American Automobile Association(アメリカ自動車協会)が行った調査により、最近になり搭載されるケースが増えてきているAutomatic Braking Systems(衝突被害軽減ブレーキ)に関して、ほとんどの消費者は、ABSにより衝突事故は回避することができると思っているのにも関わらず、実際には衝突回避には至らないシステムを搭載している車があり、消費者の認識には誤解が生じていることが判った。

BusinessNewsline
テレビCM等でお馴染みの衝突被害軽減ブレーキ。自動的にブレーキがかかり衝突を回避するという映像に仕上がっている場合が多い多いですよね。そのため『衝突被害軽減ブレーキ=完全停止する』というイメージが刷り込まれている方も多いと思うのですが、実は衝突被害軽減ブレーキの中には『完全に止るもの』と『完全に止まらないもの』の2つが存在しているそうです。

アメリカ自動車協会は衝突被害軽減ブレーキに関しては消費者とメーカーとの間に認識に差があるとして、機能を搭載したVolvo XC90、Subaru Legacy、Lincoln MKX、Honda Civic、Volkswagen Passatの最新5車種を使いどのような挙動を示すのか試験を行いました。
結果、XC90、Legacy、MKXの3種類に関しては完全に停止する機能があったとしています。

両者の違いは何かというと、付いている装置そのものが異なっており完全停止する「Collision Avoidance System」と、衝突に至る速度を軽減するだけの「Collision Mitigation System」の2つです。しかし、速度を時速30マイル、時速48kmで両者の性能差を確認したところ完全に停止するCollision Avoidance Systemを搭載した車種でも40%の確率で衝突し、速度を軽減するのみのCollision Mitigation Systemでは66%の確率で衝突したことを確認したとしています。

アメリカ自動車協会は完全停止を謳うものであっても速度によっては衝突する可能性があると消費者に誤解されないようマニュアルなど明記するなど衆知を推奨するとしています。

▼衝突被害軽減ブレーキ(時速50km)


衝突被害軽減ブレーキに関してはドライバー側が装置を過信してしまう等の理由から日本では規制解除後もあえて完全停止しないものが搭載されている傾向があったとのことです。ただ、世界の自動車安全評価では完全停止する方がより高評価を得る傾向があり、特に近年は完全停止するものが多く搭載されるようになっているとのことです。