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宇宙にある唯一の研究施設『国際宇宙ステーション』。ここでは地球上では難しい微重力環境を利用した様々な研究が行われているのですが、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、2020年代を目処に民間企業への移譲を計画していると報じられています。

このニュースは18日に開催されたNASAのプレスカンファレンスから明らかになりました。NASAは火星探査計画の中で民間企業との協力にふれ、その中でも地球低軌道(LEO)の範囲において「究極的には、2020年代半ばにISSを民間の手に移譲したいと思っている。それにより、LEOでの研究を続けることができるからだ」と語っています。

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国際宇宙ステーションに関しては記事にも書かれているように当初は今年運用を終了し引退する予定だったものの、NASAとロスコスモス(ロシア)の同意により2024年12月末まで延長されました。その後の国際宇宙ステーションに関してロシアはロシア側のモジュールを切り離し独自運用することを既に発表しており(参考)、その他に関しては大気圏に落下させ処分、アメリカは月に近い軌道に新たな宇宙ステーションを建設するという計画も報じられていたことがあります。(参考)

「LEOでの研究を続けることができるからだ」という発言に関しては、分かりやすく言うとLEO(低軌道)を周回している国際宇宙ステーションが無くなれば現在行われている微重力環境でしか行えない研究が不可能になってしまうということを懸念してのことです。

仮に民間に移譲するとなった場合、参加国すべてが同意する必要があると考えられます。また日々地球に落下している国際宇宙ステーションを加速し軌道を押し上げるには唯一行っているロシアのソユーズ宇宙船が必須となってくる問題もあります。。

国際宇宙ステーションへの人員の輸送は今後スペースXやボーイングの有人宇宙船により大幅に拡張することは可能なのですが、仮に宇宙旅行を実施したとしてもわざわざ国際宇宙ステーションにドッキングし滞在する必要はあるのか。また年間数百億から数千億円とされる維持費用がかかっていることも大きな問題の一つとなっています。