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アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、運動量保存の法則からありえない推進装置とされてきたEMドライブについて、研究論文が提出され近く発表されると報じられています。仮にこの装置が動作する場合、人工衛星は装置が故障するまで半永久的に加速し続けることが可能となります。

NASAのJohnson Space Centerの研究チームが研究開発を進めている推進剤を必要としない宇宙船用の新しい推進機関「Electromagnetic Drive(EmDrive)」について、学術専門誌に提出した論文が受理され、近くAmerican Institute of Aeronautics and Astronautics (AIAA)の専門誌「Journal of Propulsion and Power」に論文発表が行われることが判った。

BusinessNewsline
現在、惑星探査にため送り込まれた探査機は小型の推進装置を搭載し加速や減速を行っています。また、地球付近を周回する人工衛星にも同様のエンジンが搭載されているのですが、いずれも推進剤など使用回数に制限があるものが搭載されています。

推進剤の量により人工衛星の寿命が左右されることがあるのですが、今回NASAのジョンソン宇宙センターの研究チームが提出した『EMドライブ』このような推進剤を必要とせず推進系が故障するまで半永久的に使用することが可能となる全く新しい装置になります。


EMドライブは元は2001年、イギリスのSatellite Propulsion Research社が発表した新推進機関です。これはソーラーパネル等でEMドライブに電力供給を行いマイクロ波を放出することで推進力を得るというものでした。発表された当時「運動量保存の法則に反している」、「疑似科学だ」などと学者を中心に激しい批判を受け当時支援していた英国政府も援助を停止していました。
しかし、2010年に中国の大学がEMドライブを使用し2.5kWの電力を使用したシステムで720mNの推力を生み出すことに成功したと発表。2014年にはNASAが開発したEMドライブでも一定の推進力を発生させることに成功。その後の追試では真空中でも推力が発生することが確認されました。

今回提出されたNASAの論文がどのようなものになっているのか具体的な推力はどのくらいなのかは明らかになっていないのですが、実際に機能する装置が開発され成果が得られた内容が書かれていると噂されており今後宇宙で使用する推進装置を一変させる装置になる可能性も高いとされています。

EMドライブに関しては原子力を用いて2MWほどの電力供給ができれば火星まで70日、月まで4時間で行けるという強力な推進力が得られると言われています。ただし一般的な人工衛星では電力供給の制限から現在のイオンエンジン程度になると考えられています。

▼個人が製作したEMドライブ。推力が確認されたとしている。
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