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今年1月に海王星のはるか外側、地球と太陽の距離の200倍~1,200倍という楕円軌道を描き公転していると予想されたのはプラネットナイン、『第9惑星』です。コンピュータ・シミュレーションからこの天体の存在を導きだした米大学のマイケル・ブラン教授らと日本の天文学者らは共同で未知の惑星探しを行うことになりました。
実はこのマイケル・ブラン教授はあの冥王星が準惑星に変更される引き金となった有名な天文学者のようです。

今回、ハワイにある日本のすばる望遠鏡を使用し探索することになったのはカリフォルニア工科大学のマイケル・ブラウン教授(惑星天文学)率いる研究チームと観測のリーダーを務める国立天文台の吉田二美専門研究職員らの研究チームです。

彼らが探そうとしているのは今年1月、コンピュータ・シミュレーションから未知の天体の軌道や大きさなどを予想したマイケル・ブラウン教授らの研究成果によるものです。

冥王星キラー

太陽系には現在、地球を含め水星から海王星まで8つの惑星が確認されています。数年前までは冥王星を含め9つ惑星系となっていたのですが、未知の惑星探査を行ってきたマイケル・ブラウン教授らの長期間の探索で冥王星の外側に『エリス』と呼ばれる現在の準惑星が発見しました。エリスは冥王星とほぼ同じサイズの天体でなのですが、この発見を機に『そもそも冥王星は惑星なのか?』という予想外の論争に発展します。

2006年に天文学者らにより新たな惑星の再定義がなされ
1.惑星は太陽の周囲を公転していること
2.自ら重力によって球形が維持できるほど大きいこと
3.その軌道から他の天体を一掃していること』
となりました。

結果、『3』の定義に当てはまらいエリスは準惑星に入りそれどころか冥王星すらも準惑星に分類されてしまうという結果になってしまいました。そのため、マイケル・ブラウン教授は『冥王星キラー』などと冗談半分で言われているのですが、彼らにしては不名誉な称号あることは間違いありません。

プラネットナイン『第9惑星』の存在

その後、マイケル・ブラウン教授らの研究チームはセドナをはじめよく似た位置で発見された小惑星を研究していたところ、準惑星や小惑星の軌道が不自然に同一方向に傾いていることがわかりました。ブラウン教授に近い研究者は「もしかしたら未知天体、プラネットナイン『第9惑星』が潜んでいるのではないか」と指摘したものの当初ブラウン教授は懐疑的でした。理由は、エリスや冥王星よりも大きく相当な質量を持った惑星級天体が潜んでいる計算になり彼らがこれまで行ってきた長期の探索では発見されなかったという理由です。

▼発見された小惑星、準惑星の軌道。反対側にプラネットナインが存在しているというシミュレーション結果
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しかし、コンピュータシミュレーションを行った結果、同一軌道とは反対側に楕円軌道を描く地球質量のおよそ10倍、直径は2~4倍という巨大天体が存在している必要があるという極めて根拠のある計算結果が得られました。論文の発表後、他の研究者らはそれほど巨大な天体が潜んでいるのであれば土星といった軌道に影響を与えているはずだとして、ブラウン氏らのシミュレーションが正しいのかどうか研究が行われることになりました。
その結果、ブラウン教授の成果を否定するどころか第9惑星と考えられる何らかの巨大惑星が潜んでいる可能性が高いと計算結果が報告され始めました。

第9惑星はどこに潜んでいるのか。他の研究者によるとブラウン教授らのコンピュータシミュレーション結果による第9惑星のおおよその軌道と発表後行われた第9惑星による土星軌道の影響による惑星軌道計算から、この2つ方角が一致するエリアがあるといいます。具体的には地球からみてくじら座の方角、満月のおよそ40個分の範囲です。また第9惑星は太陽から最も離れた位置付近を公転しているものと考えられています。

▼プラネットナイン(中央)の目安。左は地球、右は海王星
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なぜシミュレーション結果を発表したのか

第九惑星を発見すれば後世に名が残る歴史的な大発見になるなのですが、なぜマイケル・ブラウン教授らはシミュレーション成果を公にしたのでしょうか。NHKに取材に対してブラウン教授は「秘密にすることはできた」と話しています。また秘密にすれば第9惑星を「10年間探索することができる」と考えていたものの「自分達だけで探査に10年かけるよりも他の研究者らに3年で見つけてもらったほうが良いのではないか」と公開を決断したといいます。そう考えるようになった理由は「第九惑星を正体を早く見てみたいからです」と話しています。

ちなみにブラウン教授によると広い範囲を探索できるすばる宇宙望遠鏡を使用すれば20日あまりで第9惑星を発見することができるとも話しており、いずれにしても発見は遠い未来の話ではないとしています。

参考:コズミックフロント☆NEXT - NHK 
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