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今月3日、アメリカ・オクラホマ州ポーニー郡の北西、地下15kmでマグニチュード5.6という地震が発生した件に関して、シェールガス・オイルの採掘で使用された化学薬品を含む液体を廃棄する井戸により発生した人工地震としてオクラホマ州当局が閉鎖停止命令を出したと報じられています。

オクラホマ州で3日、Pawneeの北西15キロを震源地とするM5.6の地震が発生したことがUSGSの発表により明らかとなった。

地震の震源地は、北アメリカプレートの境界線からは遠く離れたプレート内で生じたものとなっている。この地域では2009年以降、断続的に地震が発生する形となってきおり、地震の原因は自然要因によるものではなくシェール田開発に伴う wastewater injectionによる可能性と指摘されている。

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アメリカ地質調査所によると、オクラホマ州では1970年から2009年までわずか100件ほどしかなかった地震が2014年の1年間だけでも600件、さらに2015年は900件まで上昇しているといいます。その背景に何があるのかというと近年アメリカを産油国に押し上げたシェールガス・オイルにあると考えられています。

シェールガス・オイルの採掘に関してはフラッキングと呼ばれる技術があるのですが、これは硬い岩盤に水と砂、そして化学薬品からなる液体を超高圧にして地下に送り込むことで岩盤を破壊。シェールガスやオイルを取り出す方法です。
採掘に使用した廃水に関しては専用の井戸を掘り地下へ戻して処分するという方法が取られているのですが、廃水が特定の地層に注入された結果、地震を発生させる可能性が指摘されていました。(ただし具体的なメカニズムはほとんど分かっていません)

オクラホマ州では2016年2月から廃水の処理方法に関して排水量に規制がかけられているのですが、今回の地震を受けて州内37箇所の廃棄用井戸の閉鎖命令を発令したとのことです。

▼オクラホマシティを中心に2008年から2016年まで発生した地震を表したもの