天宮2号_1

今月15日22時、中国が運用するロケット『長征2号FT2』により打ち上げられたのは天宮2号です。今後、宇宙飛行士が乗り移る実験が行われるとしているのですが、一体どのような施設になるのでしょうか。

今回打ち上げらた天宮2号は2020年代に完成を目指す中国の宇宙ステーションの運用技術を習得するために行われる実験施設になります。



天宮2号
▲天宮2号(右)と有人宇宙船「神舟」(左)

天宮は1~3号機を打ち上げ、それぞれで最終的な宇宙ステーションの技術取得を目指していたのですが2号機に関しては省略され、今回打ち上げられた事実上の『3号』が2号となりました。スペックは全長約10.4m、重量は約8.5トンとされています。
天宮2号の詳細は不明なのですが、偶然なのかわからないものの旧ソ連の「サリュート」から続くロシアの国際宇宙ステーションのモジュール「ズヴェズダ」に似ていることから何らかの技術が入っていることも考えられます。

今後の計画としては無人補給船「天舟」(天宮1号をベースとしたもの)を打ち上げ天宮2号との無人によるドッキング試験を実施します。その後、中国の有人宇宙船「神舟」を打ち上げ宇宙飛行士を滞在させる計画です。

宇宙ステーション『天宮』

天宮2号は事実上の宇宙ステーションになるのですが、中国が今後運用を目指すのはより大型の『天宮宇宙ステーション』です。『天』『宮』が多様され分かりにくいのですが、2018年から22年にかけ全長14mのコアモジュール(居住区)となる「天和」を打ち上げます。その後、2つの実験モジュール「問天」、「巡天」を結合部にドッキングし天宮宇宙ステーションが完成します。

この結合部には中国の有人宇宙船『神舟』がドッキングすることができ、コアモジュールに無人補給船「天舟」がドッキングできるポートが備わっています。

▼天舟宇宙ステーション
天舟宇宙ステーション

天舟宇宙ステーションに関しては今年6月、中国の宇宙機関となるCMSA(China's Manned Space Agency)と国連大気圏外平和利用委員会(Committee on the Peaceful Uses of Outer Space)が平和目的での国際共同利用で協定を結んだなどと報じられています。具体的には国連加盟国であれば申請をするだけでどの国も利用することができるとしており、今後科学実験を行う施設として開放されるとしています。