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世界一長い鉄道で知られるシベリア鉄道。西はヨーロッパ、東は極東ウラジオストクまで全長9,200kmを超える規模なのですが北方領土交渉に関連して経済協力の一つとしてロシア側がシベリア鉄道日本延伸計画を再提案していると報じられています。

政府が検討している対露経済協力について、ロシア側がシベリア鉄道を延伸し、サハリンから北海道までをつなぐ大陸横断鉄道の建設を求めていることが2日、分かった。ロシアは要望の「目玉」として、日露の物流のみならず観光など人的交流の活発化を期待。一方、日本側もロシアの生活の質向上や、資源収入に頼る産業の多角化につながる協力策の原案をまとめており、ロシア側要望への対応を精査している。

産経新聞
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こちらの路線がいわゆるシベリア鉄道と呼ばれているものです。西はモスクワのヤロスラフスキー駅から極東のウラジオストク駅まで9200km以上、約7日間の鉄道旅になるのですが、樺太を経由し日本の北海道に繋ぐという計画案があります。記事によると「観光など人的交流の活発化につながるなど」とロシアが建設を再度強く呼びかけているとしています。

この計画は遡れば100年ほど前からあると言われています。近年であれば2008年11月当時ロシア大統領だったドミートリー・メドヴェージェフ氏が計画を支持する発表をしており、2011年にはプーチン大統領(当時首相)が「日本までトンネルを建設することも可能で、われわれは検討中だ」とロシア国民とのテレビ会見で口にしています。また2013年以降、ロシア側(ロシア連邦運輸省)が積極的に日本に呼びかけを行っています。

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具体的にどのような計画になるのかに関しては、シベリア鉄道(正確にはバイカル・アムール鉄道)を樺太方面に伸ばし間宮海峡(幅7.3km)をトンネル12.4 km、橋6.6 kmで繋ぎます。そこから南方へ鉄道を建設し宗谷海峡(約42km)をトンネルまたは橋で繋ぎ日本側まで延伸するというものです。
ロシア政府の専門家によると建設費用は1.5兆円、工期は7年程度。ヨーロッパから日本へ400~600万個のコンテナと000万トンあまりの物資が日本とロシア間で輸送されるとしており年間収益は約3000~4000億円になると主張しています。(参考)

シベリア鉄道日本延伸計画に関しては2013年以降何度か報じられているのですが建設に向けて話が進んだというニュースは報じられていません。またロシアが何度も再提案していることを考えると日本側が否定的な反応を示しているのはほと間違いと考えられます。