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爆撃機から輸送機そして戦闘機まで、飛行しながら燃料を補給する空中給油機があります。主に軍用でのみ仕様されている機種なのですが、米空軍は次世代空中給油機としてステルス性能とレーザー兵器の搭載を要求していると報じられています。(写真はアメリカのステルス輸送機)

海外の航空宇宙専門サイト『Aviation Week』によるとアメリカ空軍が将来運用を目指す空中給油機の仕様策定作業が既に始まっているとしており、機体の最低条件としてステルス機であること、そして自衛用のレーザー兵器を搭載することが求められているとしています。

USAF: KC-46に代わる次世代空中給油機の仕様策定作業に着手 - BusinessNewsline

アメリカ空軍における空中給油機は1957年の運用開始からボーイングのKC-135 ストラトタンカーが未だに現役で担っています。2011年2月には後継機としてボーイングのKC-46が選定され来年2017年に18機の調達を目指しています(最終的には179機調達するとしています)。今回、仕様策定作業が始まったというのはまだ調達されてもいないKC-46の後継機にあたる大型の空中給油機になります。

空中給油機は戦闘地域から離れたエリアで運用されるのですが中国やロシアのミサイル技術が向上しており長射程の対空ミサイル(参考)の脅威に晒される可能性があるとしてステルス技術は必須となるとしています。またレーザー兵器に関しても接近する対空ミサイルをセンサーを破壊したり本体を迎撃する手段として搭載する仕様になると考えられます(参考)。

▼衝突寸前で回避された空中給油の例


KC-135はアメリカ初のジェット輸送機として開発された機体がベースとなっており、KC-46は中型旅客機ボーイング767がベースになっています。世界を見ても輸送機や旅客機の派生型として空中給油機が開発されることが多いのですが次世代空中給油機は『ステルス機』ということで既存の機体ではなく別の機体として開発されることになりそうです

ただ、アメリカではステルス輸送機なるものが開発されていると報じらたこともあり現在はどうなったのかは不明なのですが空中給油機として航空大手が採用に向け名乗りを挙げてくるかもしれません。

▼ロッキード・マーティンのステルス輸送機 Speed Agile
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▼ロッキード・マーティンのステルス輸送機
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▼ノースロップ・グラマンのステルス輸送機
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