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昨年8月、アメリカ ロサンゼルスの貯水池で実施されたのはプラスチック製のボールを大量投入するという研究です。実はこれにより水の蒸発を抑え貴重な水資源を確保する目的があったのですがその研究結果が報告されています。

昨年8月13日、アメリカ・ロサンゼルス市郊外のLA Reservoirという貯水池に投入されたのは『shade balls』という黒いボールです。このボールはソフトボール程度の大きさで水に浮くのですが、71ヘクタール(21万4000坪)の水面を覆うのに必要な量として9600万個という膨大な量が投入されていました。

膨大な数のプラスチックボールがカリフォルニアを干ばつから救う(動画)

この貯水池はロサンゼルス市の水源になっており水不足解決の一環としてボールを水に浮かばせることで蒸発を抑える事ができる他、ボールの色を黒にすることで光を通さず藻の発生も抑制でき、大気中の塵など環境汚染物質が直接水に接することも軽減できるため水質悪化も抑制することができるだろと考えられていました。



投入から1年以上が経過した現在このプロジェクトはどうなったのか。ロサンゼルス水資源・エネルギー局事業部の責任者リチャード・ハラシク氏によると「プロジェクトは成功と述べることができる」と説明しているそうです。Sputnikによるとこの1年間でどのくらい量の水が節約されたのかは分からないなどとしているものの、複数の推計では8100人分の飲用水を確保するのに十分な110億リットルの水の蒸発を防ぐことに成功したとしています。 

当時報じられていた内容としてボール投入に関わるコストは3450万ドル(約72億円)としており、蒸発により失われる損失に比べると採算は合うとして計画が進められていました。カリフォルニア州では毎年深刻な水不足が発生しており、ワシントン州からパイプラインを引き水の供給を受ける案や海水を飲水に換えるプラントを設置する案が計画されています。