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国際宇宙ステーションへの人員輸送を民間企業に行わせるNASAの商業宇宙船計画。選定された企業の1つボーイングに関して、開発している有人宇宙船CST-100「スターライナー」の初打ち上げが2018年12月以降に延期されたと報じられています。

着々と進むNASAによる宇宙開発の民間委託ですが、すこし残念なお知らせです。ボーイングが開発中のカプセル型有人宇宙船「CST-100 スターライナー」の有人初飛行が、2018年の12月以降に再延期されることとなりました。

現在ボーイングとイーロン・マスクが率いるスペースXはISS(国際宇宙ステーション)への人員輸送のために、NASAと契約を結んでいます。

sorae.jp
国際宇宙ステーションへの宇宙飛行士打ち上げなど民間に委託するというNASAの商業宇宙船計画(Commercial Crew Program)により開発が進められているのはボーイングの有人宇宙船CST-100 スターライナーです。

CST-100に関してはスペースXのドラゴンV2宇宙船と同じく2014年に商業宇宙船計画で使用する機体としてNASAから選定されていました。当時ボーイングは「この計画が承認を受け十分な予算を確保できた場合はこのカプセルを2015年には運用できるようにする」などと話していたものの、後に初打ち上げを2017年12月に設定していました。しかしこれにも間に合わず2018年(時期を定めず)に実施するとしていたものの、今回2018年ギリギリの12月に再設定されたとのことです。

記事によると、開発の遅れは製造過程や資格関連のテストにあるとしています。また今年9月には圧力に耐えるためのドームにも問題が見つかっており幾つか問題が確認されていたといいます。仮にこれら問題が解決されたとしても発射台から緊急脱出する装置類の大きなテストが2018年1月に予定されており問題が見つかればさらに延期される可能性もあるとしています。
一方、国際宇宙ステーションは2024年末を持って引退となる可能性が高く、仮に開発が順調に進んだとしてもスラータイナーを使用した国際宇宙ステーション行の『便』は僅か数年しかありません。



CST-100 スターライナーはカプセル形状の機体で乗員は最大7名。帰還はソユーズ宇宙船のように陸上となりパラシュートで降下した後、底にあるエアバッグで衝撃を和らげる方法が採用。宇宙船本体は10回程再利用が可能としています。
ちなみにCST-100の開発チームは「NASAとの契約に失敗した場合は全員を解雇する」などと通達を受けた状態で開発が続けられた宇宙船となっています。