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主に軍用機を対象に空中で燃料を補給する空中給油機が運用されていますが、アメリカでは次世代空中給油機として従来の旅客機型ではなくブレンデッドウィングボディという新しいデザインを採用した機体形状になる可能性があると報じられています。

軍用機の行動範囲を大幅に伸ばす方法として空中給油機は必要不可欠なものとなっているのですが、アメリカ空軍では現在運用されているボーイングKC-135 ストラトタンカーの次世代機にあたる『KC-46』のさらに次世代機『KC-Z』はブレンデッドウィングボディを採用した機種になると米空軍の司令官Gen. Carlton Everhart氏の発言が報じられています。

USAF: 次世代空中給油機「KC-Z」はハイブリッドウィング機 - BusinessNewsline

ブレンデッドウィングボディ(以下、BWB)とは従来のような爆撃機や航空機のように胴体と翼がくっきりと分けられている機体形状ではなく、主翼と胴体が一体化したような全翼機に近い流線構造を採用した機体です。
実は航空宇宙大手ロッキード・マーティンは次世代輸送機としてこのBWBを採用した機種を開発していると2014年3月の段階で報じられています。

▼ブレンデッドウィングボディを採用した次世代輸送機案(燃料消費量7割減、これが次世代軍用輸送機だ! : ZAPZAP!)
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BWBはどのような性能があるのかに関しては、あくまでも輸送機の仕様としてC-5 ギャラクシーという軍用超大型長距離輸送機に匹敵する貨物搭載能力と機内スペース、そして中型輸送機C-17 グローブマスターIIIよりも70%少ない燃料消費量となると想定されています。この低燃費性能は機体形状と優れたターボファンエンジンで実現できると主張しています。

次世代機『KC-Z』は前回、ステルス性能とレーザー兵器の搭載を要求しているなどとしステルス輸送機をベースとした派生型になると予想していたのですが、現在開発されているというBWB輸送機の派生型、もしくは新開発のBWBになる方向で話が進められていると考えられます。
何れにしても将来の空中給油機は旅客機や輸送機のような筒状の機体形状ではなく新しい形状の機体になることはほぼ間違いありません。