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今月19日、欧州とロシア共同による計画「エクソマーズ」で火星に着陸予定の「スキアパレッリ」が墜落したこと関して、探査機を開発したESAはコンピュータが空中にいるにもかかわらず着陸したと誤判断した可能性があると報じられています。

欧州宇宙機関『ESA』によると、日本時間今月19日に火星に激突した「スキアパレッリ」に関して、激突まで着陸機が地球に送信したデータ分析が進められていたのですが、その結果何らかの原因によりコンピュータが誤った破断を行ったことがわかったというものです。

ESAの火星探査機墜落事故、事故原因はコンピュータが着陸前に着陸したものと誤認識した可能性 - Technobahn

具体的にはスキアパレッリは大気圏に再突入とその後のパラシュート展開までは特に問題なく正常だったとしています。しかし、切り離されたあとの逆噴射ロケットによる減速が本来30秒続くはずだったもののわずか3~4秒動作したのみで計算では高度2000~3000mから自由落下の状態で地表に激突したと考えられているとしています。

なぜコンピューターが誤判断したのかは明らかになっておらずソフトウェアの不具合、もしくは搭載されているセンサー類の不具合から正しい判断を行えなかったなど原因が挙げられているとのことです。



本来の予定では高度1200mで耐熱シールド分離、続いて1100mでパラシュートから切り離され逆噴射をかけ軟着陸という流れだったのですが、以前報じられていたように予定よりもかなり早く耐熱シールド分離とパラシュートと本体の切り離しが行われ、逆噴射をかけているということになります。

データからはパラシュートの展開、耐熱シールドの分離、パラシュートからの切り離しは正常に行われたというデータが得られているのですが、なぜ予定よりも早く行われてしまったのかが今後調査されるものと考えられます。

ちなみに火星探査機墜落は1999年12月アメリカが打ち上げたマーズ・ポーラー・ランダーでも発生しており、原因は探査機に発生した振動が『火星に着陸した振動』だとコンピューターが判断したことによる墜落と考えられています。