長征5号_2

今月3日、中国 海南省の文昌衛星発射センターから打ち上げられるのは『長征5号』という新型ロケットです。このロケットは中国が運用するロケットとしては最大となっており国際宇宙ステーションが周回しているような低軌道に25トンの打ち上げ能力があります。

2001年2月に開発計画が発表されてからようやく1号機の来月打ち上げとなった長征5号。長征5号はロケット本体を2.25m、3.35m、5mの3つ、さらに2.25mと3.35mのブースターから構成される基本構成の3タイプにそれぞれ2段目を追加した合計6タイプからなるロケットです。
打ち上げ能力は一段構成のCZ-5Bで低軌道へ25トン、CZ-5Bに第二段を追加した二段構成でCZ-5Dで静止トランスファ軌道へ14トンの打ち上げ能力があると言われています。

▼ブースターや第二弾の有無で変わる長征5号シリーズ。
長征5号_3

今回打ち上げるのは上の図では右から2番目のCZ-5Bで全長は52m。低軌道に『25トン』という数値に関しては現在運用されているロケットの中では最大のデルタヘビーロケット(28.8トン)に次ぐ能力で、アジアでは最大の打ち上げ能力があります。

▼発射台に移される長征5号(CZ-5B)。移動に用いられているのは『遠望号』
長征5号_1

搭載されているエンジンはロケット本体にYF-77という液体水素と液体酸素を推進剤にするものでこれを2基搭載しています。さらに4本のブースターにYF-100が搭載されています。他国では固体ロケットが使用されることが多いのですがYF-100は液体酸素とケロシンを推進剤にした液体燃料が使用されています。

このロケットは再利用型ではなく完全使い捨てです。現在中国で運用されている長征2号・3号・4号ロケットを置き換えを図る計画で、将来的には有人打ち上げも以外も月や火星といった天体への探査機打ち上げも長征5号が担うことになります。