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1秒間に20回という目にも留まらぬ速さで木を付く鳥『キツツキ』。仮に人間が同じようなことをすると大変なことになってしまうのですが、なぜ彼らは無事なのでしょうか。学者によると人間とは異なる頭に理由があるといいます。

コツコツと木をつついて幹に穴を開ける鳥、キツツキ。今回は、「なぜキツツキは頭が痛くならないのですか?」という読者からの質問について専門家に聞いてみた。「それは答えるのが難しい質問です」と、メールで回答してくれたのは米コーネル大学の鳥類学者ウォルター・コーニグ氏。ただし、もしもつつくことが頭痛や怪我の原因になるなら、「おそらくキツツキが長く存続することはないでしょう」と言う。傷ついた鳥は、捕食動物の餌食になりやすいからだ。

NATIONAL GEOGRAPHIC


スローモーションで撮影されたキツツキの映像では頭どころか首もヤラれそうな勢いで木を付く姿が映し出されています。なぜキツツキの頭はここまで丈夫なのでしょうか。

鳥類学者、ウォルター・コーニグ氏によるとキツツキの脳はこのような動作に耐えられるよう最適な構造をしていると指摘しています。一般的なキツツキは脳の重さが2gしかなく、人間みたいな巨大な脳では逆に受けるダメージが大きくなってしまうといいます。さらに脳は頭蓋骨にすっぽり収まるような形状をしておりほとんど揺れない他、脳の向きや形状も霊長類とは異なっているとのことです。

またキツツキが木と接触している時間はわずか0.0005秒~0.001秒(0.5ミリ秒~1ミリ秒)しかなく、人間が脳に外傷を負うとされる3ミリ秒から15ミリ秒とも異なると指摘しています。

キツツキに関する研究は他にもあり、木を突くことで頭部にかかる瞬間的な重力は1000G~1200G以上と言われています。ゆっくり突いたり激しく突くことがあるのですが、激しく突く場合は大抵が内部が空洞で音が響く木で行うことが多く、求愛や縄張りを主張するために行っているといいます。