これまで回収不可能だったシェールガス・オイルの採掘が可能となりアメリカは現在世界最大の産油国になっているのですが、この採掘により地震が多発しており、地元に暮らす住人らが企業相手に集団訴訟する事態になったと報じられています。
オクラホマ州で今年の9月、シェール田が原因と見られるM5.6のこの周辺地域で生じた地震としては過去最大規模の地震が起きたことに関連して、被災地の住民らが、シェール田の開発を行っているエネルギー企業を相手に集団訴訟を起こしたことが明らかとなった。原告の住民らは、地震の被害で被った被害金額の補償を求めている。本土中部、テキサス州の北に位置するオクラホマ州では近年のシェール革命により天然ガスと原油が大量に採掘されています。一方、時を同じく発生しているのは地震です。オクラホマ州は1970年から2009年まで39年間でわずか100回ほどしか地震が発生していないのですが、2014年の1年間には600回を記録。
BusinessNewsline
また今年9月3日にはオクラホマ州ポーニー郡でマグニチュード5.3という観測史上最大の地震を観測したことを受け、州当局が州内にある37あまりの施設(採掘の際に使用する薬品を地層に送り込む廃棄用井戸)に閉鎖命令を発令しました。
アメリカ地質調査所(USGS)によると、採掘と地震の関連性はウォーターインジェクションという地層に高圧のポンプで水を送り込みオイルを回収(2次回収)する方法で人為的な地震が発生すると指摘しているのですが、どのような理由からプレート境界から遠くはなれた安定した地盤で地震が発生するのかは解明されていません。
いずれにしてもシェーガス・オイルの採掘が始まって以来地震が多発していることを考えると少なくとも採掘と地震に因果関係があることは間違いないと考えられています。
▼2008年から2016年で発生したオクラホマ州オクラホマシティ付近の地震