ロケットラボ

ロサンゼルスに本社を置く、航空宇宙ベンチャー『ロケット ラボ』が開発している小型衛星打ち上げロケット『エレクトロン』に関して、初号機の打ち上げを来年に延期すると発表されています。

ロシアの宇宙関連サイトによると、米企業『ロケット ラボ』が今年11月17~12月24日に予定していた小型衛星打ち上げロケット(超軽量ロケット)『エレクトロン』初号機の打ち上げを来年夏に実施すると延期する発表を行ったと報じています。

Первый полет ракеты Electron отложен до 2017 года

エレクトロンロケットは液体酸素と液体ケロシンを燃焼させる一般的な液体ロケットなのですが、開発したエンジン『ラザフォードエンジン』は世界初の電動駆動ロケットエンジンと言われています。従来この手のロケットエンジンは燃料を送り出すために高速で回転する『ターボポンプ』という複雑で高度な精度を要求される装置が搭載されていたのですが、ラザフォードエンジンではこれを電動化することで大幅に簡略化することに成功しました。また最新技術である3Dプリンタを使用したことで大幅の打ち上げコスト削減を実現できました。

▼ラザフォードエンジン
ラザフォードエンジン


エレクトロンロケットは全体重量10.5トン、全長18メートル、直径1メートル。第1段にラザフォードエンジン9基を使用し推力は162kN、さらに上段には真空推力22kNのエンジンを採用しています。
打ち上げ能力は国際宇宙ステーションが周回しているような地上500kmの低軌道に225kg、太陽同期軌道に150kgを打ち上げることができます。 

このロケットの打ち上げはニュージーランドで世界初という民間宇宙基地が今年8月に建設されており、ここから発射されることになっています。

▼エレクトロンロケット
エレクトロンロケット