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火星有人探査など1年以上の宇宙滞在が当たり前になっていくことが考えられているのですが、一方でわずか半年あまり宇宙滞在でも人間の視力が大幅に低下するという健康問題があるとのことです。

スコット・ケリー宇宙飛行士が2016年3月に1年間の宇宙ミッションから帰還したとき、彼はほかの多くの同僚たちと同じように、視覚障害を患っていた。不可解なことだが、長期間の宇宙ミッションに参加した宇宙飛行士の3分の2が、かすみ目、眼球が平らになる、視神経が炎症を起こすなどの症状を示すのだ。

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この症状は視覚障害脳圧症候群などと呼ばれるもので、発覚したのは2005年でNASAの宇宙飛行士ジョン・フィリップス氏の視力が宇宙滞在前に1.0あったものの帰還後の視力が0.2まで低下していたというものです。その後の研究により地上で暮らす私達には発生しない人体構造により患うことが明らかになりました。

▼長期宇宙滞在で視覚障害脳圧症候群を患った宇宙飛行士の眼球画像
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この症状は長期滞在した宇宙飛行士らの眼球は断面が横から見ると“潰れたお餅”のような形に変形してしまい、入ってきた光がうまく届かずピントが合わない状態になってしまうというものです。原因は脳脊髄液(脳漿、髄液ともいう)の圧力が高くなり結果的に眼球を押しつぶすような形になってしまうことがわかったといいます。

視覚障害脳圧症候群を患わないようにするには長期間、人体を無重力状態に晒さないことが最も良いのですが、少なくとも人間が入ることができるような人工重力を発生させる装置は国際宇宙ステーションには設置されておらず解決方法は存在しません。

国際宇宙ステーションに長期滞在した2/3の宇宙飛行士が視覚障害脳圧症候群を患い一部は地球に帰還後も完全に視力が戻ることはないとされています。更に長期に渡る宇宙滞在が考えられており、目だけではなく人体に様々な問題を引き起こす微重力や無重力環境を無くすということは今後の宇宙開発の最大の課題になっていくものと考えられます。