大きな耳に夜な夜な光る目、そして高い運動能力のある身近な動物といえば『ネコ』。なんとこの動物により鳥類が絶滅に追いやられる可能性があるという理由で、ハワイでは全長8kmに渡りフェンスが設置されたと報じられています。
全長8キロ余りに及ぶフェンスの設置が、ハワイ火山国立公園でこのほど完了した。目的は、米国で絶滅の恐れがあるハワイシロハラミズナギドリを野良ネコから守ること。ネコを防ぐフェンスとしては全米一の長さとなった。野生のネコ、また家庭で飼われていネコが小動物を“捕獲しまくっている”という記事はこれまでも複数目にしたことはあるのですが、今回はハワイ州ハワイ島に生息する絶滅危惧種がネコにより絶滅に追いやられているという記事になります。
ハワイ語で「ウアウ」と呼ばれるこのミズナギドリは、公園内にあるマウナ・ロア火山の斜面で、溶岩石の割れ目の奥に巣を作る。高いところでは標高約3000メートルの地点でも営巣が確認されているが、それほどの高度でも、野良ネコはこの鳥や雛を捕食している。
NATIONAL GEOGRAPHIC
NATIONAL GEOGRAPHICによるとこの鳥はハワイシロハラミズナギドリという海洋に生息する種で、繁殖期には溶岩石の割れ目の奥に巣を作る生体が知られています。この鳥については海面近くからマウナ・ケア山の頂上に近い標高3000m付近でも巣が確認されているもののネコにより鳥や小鳥が襲われ続けているとしています。
そのためハワイ州ではネコから鳥を保護するため米国魚類野生生物財団、米国魚類野生生物局、米国鳥類保護協会、ハワイ太平洋公園協会、そしてハワイ大学が共同で研究を行い標高約2400~3000メートルにかけ周囲8kmの猫よけフェンスを手作業で設置していきました。このフェンスにより2.4平方kmの面積が保護されネコの脅威はなくなるものと考えられています。
Photo:ハワイ火山国立公園
Photo:ハワイ火山国立公園
ハワイでは50万匹近い野生のネコがいると考えられており、ハワイシロハラミズナギドリの死骸を確認したところ統計では72%あまりがネコに襲撃され命を落としたと考えられているそうです。
また費用と労力がかかるフェンスを設置するという案になったはアメリカにおける絶滅危惧種の1/3がハワイに生息しているこや、ハワイ市民が外来種に強い懸念を抱いていること、そして野生のネコに手を加えるという方法ではネコの愛護活動との間で問題が発生することは確実であり、結局のところフェンスの設置が手っ取り早いと判断されたためだとしてます。
NATIONAL GEOGRAPHICよると全米でネコに捕獲される鳥は毎年約10億羽としています。