ファルコンヘビー

アメリカの民間宇宙ベンチャー、スペースXは現在運用されいるロケットの中では最大の打ち上げ能力となる『ファルコン ヘビー』を今年7~9月を目処に実施すると発表しています。

SpaceXは現在、運用されているロケットとしては最大のものとなるFalcon Heavyの製造中の初号機の映像を初公開した。Falcon Heavyは、LEO(低軌道)への打ち上げ重量が54,400 kg、静止軌道が22,200 kgとなるDelta IV Heavyの2倍近い打ち上げ能力を持つ、世界最大のロケットとなる。

BusinessNewsline
スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズことスペースXは現在『ファルコン9』というロケットを運用し、国際宇宙ステーションへの物資輸送から人工衛星の打ち上げを実施しています。
今年早ければ7月以降に打ち上げが実施される予定となっているのはファルコン9を3つ束ねた形状の『ファルコン ヘビー』というロケットで全長は70mあまり、打ち上げ能力は現在運用されているロケットの中では世界最大で、ロケット本体を地上に返すことで再利用するという最先端技術を有するロケットとなっています。



こちらがCGによるファルコン ヘビーの打ち上げ映像です。打ち上げに使用されるのはケネディ宇宙センター第39複合発射施設のLC-39Aです。この発射台は人類を月面に送ったサターンVロケット、そしてスペースシャトルも打ち上げていたというアメリカの宇宙開発を支えた非常に歴史のある施設なのですが、現在はファルコン ヘビーの打ち上げに対応するため改修が実施され今後20年間スペースXが使用します。

SpaceXさん(@spacex)が投稿した写真 -


ファルコンヘビーの打ち上げ能力は国際宇宙ステーションが周回しているような低軌道に53~54トンを送り込むことができます。この強力な打ち上げ能力は現在運用されている最大のロケット、ロシアのプロトンM(23トン)やデルタⅣヘビー(22トン)の2倍以上、日本最大のロケットH2Bと比較した場合では3倍以上となっています。

この強力な打ち上げ能力は火星軌道へ13.6トンの質量を送り込むことができる規模で、スペースXはNASAと協力し火星に無人宇宙船を着陸させ地球に持ち帰るサンプルリターンミッション(計画)を来年春に実施する予定が組まれています。(参考)