洋上風力発電

陸上から洋上まで姿、形も様々な風力発電所。その中でも一般的な洋上風力発電所に関して発電コストは15年3割低下しているとする研究結果が発表されています。

イギリスのOffshore Wind Programme Board (OWPB) が発表した資料により洋上型風力発電の発電単価は、過去15年で31.7%の低下したことが判りました。OWPBによると、洋上型風力発電の発電単価は、2010~2011年には、142ポンド/MWhだったものが、2012~2014年には121ポンド/MWhに、そして2015~2016年には97ポンド/MWhとなり、プロジェクト開始時に想定していた2020年には100ポンド/MWhにするという目標値を5年早く実現することができたとしています。

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世界で建設されている風力発電所はそのほとんどが陸上に設置されています。理由は陸上よりも建設コストが高く建設期間が長いこと、また設置する環境にも左右され遠浅の地形が続くことが必要とされています。そのためEUなど一部大陸の沿岸にのみ建設されています。

この洋上風力発電に関してイギリスの風力発電諮問委員会が行なった研究によると、過去15年で発電コストは31.7%低下したとしており今後10年はコスト低下の流れが続く予想しています。また発電コストの低下は多くの建設業者間の競争が生じた結果だとしており、イギリスで進む風力発電建設により製造から設置までの環境が整いつつあるという見方を示しています。

イギリスで生産される電力はその25%あまりが既に再生可能エネルギーとなっており風力発電が12.5%(陸上5.6%、洋上6.9%)です。また174基からなる洋上風力発電所を建設する計画があり完成すれば出力は1.2GW(一般家庭100万世帯分)となり世界最大規模の風力発電所となります。

最近では海底に固定しない浮体式洋上風力発電も開発されており、2025年を目処にアメリカ・カリフォルニア州沖合50kmの洋上に100基あまり建設し発電を行うという計画があります。ただ、このような浮体式洋上風力発電であっても建設コストは陸上に比べ2倍以上高くなっており、安定した風が見込める海域でのみ運用可能という制限があります。

▼浮体式洋上風力発電