HR 8799

カナダの宇宙研究機関は地球から約129光年離れた位置にある太陽系外惑星が恒星を中心に公転している様子を長期間観測しその映像を公開しました。

地球から129光年離れた明るい恒星のまわりを、4つの惑星が回っている動画が公開された。私たちは近隣の惑星の周りを衛星が回るところは見られても、太陽のまわりを惑星が周回するダンスを遠くから観察するのは難しい。そして今、科学者らが7年にわたりこの惑星系を見つめ続けた結果、私たちは惑星が静かに軌道をたどる様子を目にすることができた。

NATIONAL GEOGRAPHIC
この動画を公開したのはヘルツベルク宇宙物理学研究所に務めるクリスチャン・マロワ氏が撮影した過去7年の映像を系外惑星研究団体NExSSが処理しつなぎ合わせたものです。



今回観測されたのは地球から見てペガスス座の方角にあるHR 8799という惑星系です。動画では中央に黄色い星マークが描かれているのですが、その位置に太陽質量の1.5倍ほどの明るい恒星HR 8799aがあります。

その周りを公転しているのは4つの惑星です。いずれも2008年頃に初めて確認されたもので巨大なガス惑星と考えられており公転順に内側から木星質量の9倍、10倍、10倍、7倍となっています。惑星と恒星の距離は地球と太陽との距離の14.5倍(土星と天王星の間)、27倍(天王星と海王星の間)、43倍(冥王星の公転軌道)、68倍となっています。

HR 8799はより内側により小さい岩石惑星が公転している可能性も考えられれるものの恒星が非常に明るく観測困難となっており発見には至っていません。

恒星HR 8799aは誕生していから僅か6000万年しか経過していない惑星と考えられており、惑星系には多くのチリが公転しています。その一部は太陽系が誕生した時のように原始惑星系の衝突が繰り返されバラ撒かれたチリも含まれていると考えられています。