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一般的なPCよりも高価で高性能のCPUを搭載することで高速演算を繰り返すサーバー。一方でCPUから出る排熱処理が問題になることがあるのですが、海外では個々のサーバーをケースに収め家庭に設置することで排熱を暖房機として使用するサービスが始まっているそうです。

大量のサーバーを格納するデータセンターでは「廃熱をいかにして冷却するか」が大きな問題となり、冷却設備のコストは全体の30%に及ぶ場合があります。MicrosoftやGoogleはこの大量の廃熱を海水で冷却するデータセンターを構築していますが、オランダのクラウドサービス企業・Nerdalizeから、分散型クラウドサービスのサーバーの廃熱を使って出力1000ワットのヒーターを提供するという逆転の発想を形にした製品が登場しています。

GIGAZINE
クラウドサービスのサーバーは他のウェブサーバーやメールサーバーと同じように膨大な熱が出るため、必ず冷却にコストがかかってきます。そこでオランダ企業Nerdalizeは分散型クラウドサービスとして個々の端末を家庭に設置してもらうことで排熱によるコストを削減することに成功。価格は一般的なクラウドサービスのおよそ半額になっているとのことです。

Nerdalize & Eneco from Nerdalize on Vimeo.


記事によるとこのサーバーは排熱を家庭用暖房として使用可能で夏など不要な時は外に排出することができるとしています。もちろんタダで設置することはできないのですが初期費用として約4万8000円~6万円が掛かり、サーバーがデータを送受信する光回線を引くことと排熱用の穴を壁に開ける必要があります。電気代に関しては不明なのですがNerdalizeが支払う契約になっていると考えられます。

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同社によると一般的な家庭でこのサーバーを設置した場合、年間約3万6000円の節約(電気代など)になると説明しているそうです。


同様にフランスのQarnot Computing社もサーバーを家庭に設置し排熱ヒーターとして使用するというサービスを今年にも始めるとしています。こちらの企業によると排熱により暖められる部屋の広さは26.5~55畳の広さの空間だと説明しています。(参考)