B-21

アメリカの大統領が国内外の移動の際使用される大統領専用機『エアフォースワン』に関して、「新型機開発コストが掛かりすぎる」などと難色を示しているトランプ大統領。そこで新しい案として中型旅客機や現在開発中のステルス爆撃機をエアフォースワンにする案が出ていると報じられています。

トランプ大統領の指示により、現行のB747を使用した大統領専用機(Air Force One)に代わる新型機の選定作業を進めてきた国防総省の外部諮問委員会が、新型機としてB737か、次世代ステルス爆撃機のB-21 Raiderの使用を推奨する報告書を提出したことが明らかとなった。

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航空宇宙関連のニュースサイト『Aviation Week』によると、国防総省の外部諮問委員会が提案した案として次期エアフォースワンを旅客機『ボーイング737』を改造したものか次世代ステルス爆撃機『B-21 レイダー』を改造したものが挙げられたのですが、いったいどのような理由からこの両者が推奨されたのでしょうか。

記事によると、まず中型旅客機『ボーイング737』案では改造費用や運用コスト、世界中で運用されていることで保守部品の入手容易性などの全ての面で現行案であるボーイング747よりも優れているとしています。一方、『B-21 レイダー』案に関してはステルス機であることが最大の利点だとしており外部からの攻撃に晒される脅威が減るため生存可能性が高いことを挙げらているそうです。
ただし、B-21は旅客機よりも圧倒的に狭いため搭乗できるのは大統領と他数名だけで残りの職員らは政府専用機で移動することになるとしています。

▼737-900ER
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トランプ大統領が否定的な見方を示している次期エアフォースワンの選定に関しては2015年、アメリカ空軍が「ボーイング747-8に内定した」と発表。合計で4機を導入する計画で機体は2018年以降に納入されるとしていました。(参考)

B-21は戦略爆撃機B-52の後継機として開発が進められている機体で現在、米空軍に100機以上が配備される計画です。しかし、生産開始が2020年以降になると考えられており未知の不具合がでてきそうな機体を大統領専用機にするという案に関しては特に運用に関してデメリットがメリット上回るものになると考えられます。