TRAPPIST-1

地球から39光年という位置にある恒星『TRAPPIST-1』を観測した結果、7つの惑星(4つは新発見)が確認され内3つの惑星で液体の水が存在する可能性があることがわかりました。今回は『木星』程度の大きさしかないなど太陽系とは大きく異なる点を掘り下げて紹介していこうと思います。

ベルギーのリエージュ大学とNASAが共同で行なった研究によると地球から39.1光年、水瓶座の方角にある『TRAPPIST-1』という恒星について超大型望遠鏡VLT(チリ、ヨーロッパ南天天文台)を使用した観測の結果、4つの新たな惑星発見を含め7つの岩石が惑星公転していることが明らかになりました。

この観測は地球から見て恒星の前を惑星が横切ることで生じる僅かな明るさの変化からそれぞれの惑星が公転しいてることが発見されたものになります。

木星の1.1倍しかない恒星『TRAPPIST-1』

太陽といった恒星は巨大で大質量というイメージがありますが観測が行われた恒星『TRAPPIST-1』の直径は16万kmしかありません。これは木星の直径が14万kmよりも僅かに大きいだけで太陽と比較すると質量は0.08%、直径は0.1%しかありません。また表面温度は1400度程度となっています。
TRAPPIST-1と木星、太陽比較
Photo:NASA
こちらの画像は木星、TRAPPIST-1、太陽の大きさを比較した目安になるのですが木星サイズのTRAPPIST-1に地球や火星サイズの惑星が公転していることを表しています。

7つの惑星とそれぞれの公転軌道

TRAPPIST-1は木星サイズの小さすぎる恒星だということはわかったのですが公転している惑星はどのようなものなのでしょうか。まず、公転している惑星は恒星から近い(内側)順にTRAPPIST-1b、TRAPPIST-1c、TRAPPIST-1d・・・・とアルファベットが順つけられています(以下TRAPPIST-1bは1bと省略します)

以下はTRAPPIST-1を公転している惑星です。サイズは地球質量と地球半径の何倍かを表しています。
1b…(地球)質量の0.85倍、(地球)半径の1.08倍
1c…質量1.38倍、半径1.05倍
1d…質量0.41倍、半径0.77倍
1e…質量0.62倍、半径0.91倍
1f…質量0.68倍、半径1.04倍
1g…質量1.34倍、半径1.12倍
1h…質量不明、半径0.75倍

参考
金星…質量0.81倍、半径0.94倍
火星…質量0.1倍 、半径0.53

このように発見された惑星は火星よりも大きく地球や金星クラスが公転しているということになります。

TRAPPIST-1と木星、太陽比較_1
Photo:NASA
この図はそれぞれの公転距離を示したものです。左は木星と4つの衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)の公転距離、中央はTRAPPIST-1と7つの惑星の公転距離、右は太陽系と水星です。
簡単に解説するとTRAPPIST-1bや1cは木星の衛星カリストとほぼ同じ位置を公転しているという近さで、最も遠くにある1hに関しても太陽系と比較した場合では太陽と水星の距離の僅か1/6の距離しかありません。

TRAPPIST-1と木星、太陽比較_2
Photo:NASA
こちらの図は木星の衛星軌道、TRAPPIST-1星系の公転軌道、太陽系の公転軌道をそれぞれ比較したものです。見ての通り水星のはるか内側の軌道を7つの地球サイズ惑星が公転していることになります。

ハビタブルゾーンを公転する3つの惑星

▼TRAPPIST-1星系(いずれも想像図)
TRAPPIST-1星系

観測の結果、発見された7つの惑星のうち中央付近にある1e、1f、1gはハビタブルゾーン(生命居住可能領域)と呼ばれているところを公転しています。ハビタブルゾーンの距離や範囲は星系により様々で太陽系では地球や火星が公転している範囲になるのですが、TRAPPIST-1星系は恒星から放出されるエネルギーが少ないため恒星から極めて近い距離でも液体の水が存在・維持することができると考えられています。

現在、ハビタブルゾーンを公転している惑星に人間のような知的生命体がいるのかなどはまったく明らかになっていないのですが近い将来、現在よりも観測技術が向上した時代には何らかの大きな発見があるかもしれません。
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