中国

ここ10年あまりで著しい経済発展を遂げた中国。一方、中国当局が行なった調査によると男性の死亡率が10年前に比べ10%以上も多くなっていたことが明らかになりました。その背景には一体なにがあるのでしょうか。

2017年3月1日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国国家統計局の1月発表のデータを基に、中年層の死亡率が10年で大きく増加していると伝えた。報道によると、中国国家保険機構が10数年ぶりに更新した生命表(死亡率表)で、41〜60歳の男性の死亡率が2013年までの10年間で12%増加したことがわかった。

Record China
今回報じられた中国国家統計局のデータを見つけ出すことができず詳細は不明なのですが、米紙によると2013年までの10年間の統計結果について、前回行われた2003年までの10年間と比較した場合、41〜60歳の男性の死亡率が12%増加していたというものです。

この結果について中国当局の声明や説明は無いとしているのですが、米紙によると「経済成長によって悪い生活習慣が身についたため」とし、酒類の消費量が年5%の割合で増加しているなどファストフードなど食生活の変化が身体に影響を与えているのではないかと独自の見解を出してます。

単純な比較として日本ではどのような傾向があるのかという資料を紹介します。

主な死因別にみた死亡率の年次推移

資料:平成 26 年 人口動態統計月報年計(概数)の概況 - 厚生労働省
こちらは昭和22年から平成26年までの人口10万人あたりの『死因率』の推移です。例として平成26年における悪性新生物(ガン)は10万人あたり約300(約3万人)となっています。日本における高度成長成長期を1955~1973年(昭和30~48年)と見た場合、脳血管疾患、ガン、心疾患が右肩上がりに増えていた時代になります。

中国ではこのようなグラフとは相当ことなると考えられるのですが、日本と同様にガンが急増していると考えられ、また大気汚染から来る呼吸器系の死亡率も急速に高まっているものと予想されます。