パトリオット

近年、主に空撮に用いられるドローンが数多く販売されていますが、先日米軍当局による公演によるとISISが操縦するおもちゃのドローンを1発3億8000万円するというパトリオットで迎撃していると口にしていたことが明らかになりました。

ホビー用ドローンの存在は各国の治安当局の頭を煩わす問題となっているが、米軍は、こうしたドローンを排除するため、遂に本格的なミサイル迎撃用に開発されたパトリオットミサイルの使用に踏み切ったことがUS Army Materiel Command Headquartersが公表した公演ビデオにより明らかとなった。

Business Newsline
アメリカ軍陸軍を始め日本を含む10数か国で運用されている地対空ミサイルとしてMIM-104 パトリオットがあります。これは主に敵機を迎撃する手段として開発され、近年では能力向上型の弾道ミサイル迎撃が可能なPAC-3というタイプが配備されています。

非常に高性能な一方で少なくもと安価ではないシステムなのですが、なんと過去ISISが操縦しているおもちゃのドローンの迎撃に使用されたことがある米陸軍資材軍団本部の発表により明らかになりました。

▼パトリオットの実弾射撃演習(NATO、ギリシャ)


なぜおもちゃのドローンにパトリオットが使用されたのかについて公演した人物によると「安価なドローンであっても最前線の部隊にとっては脅威であることにはかわりない」と理由でこれを排除するため使用されたとしています。一方で「だからといって(数百ドルの)ホビー用ドローンを1発340万ドルもするミサイルで迎撃することが経済的に合理的な行為なのかどうかは疑問が残る」と主張していたとのことです。

パトリオット以外の迎撃手段は

ドローンといえば空撮、つまり偵察が主な役割として使用されているのかと思いきやISISはドローンに小型爆弾を搭載し戦闘車両を破壊することを行なっており米軍や共同で活動しているイラク軍は「迎撃する手段が無い」としています。

例として、この手の兵器に有効と考えられる自走式対空砲があるのですが米軍は近年開発しておらず唯一運用されていたM163対空自走砲も退役しています。このような車両は戦車よりも高価とされ生産コストで問題が多いことも事実です。
一方、LPWS(Land-based Phalanx Weapon System)という高性能な兵器があるもののやはり高価であることと部隊と一緒に行動するような兵器ではないとされ運用は難しいと考えられます。

▼LPWS
LPWS

▼LPWSの実働映像


また有効な迎撃手段の1つとしてレーザー兵器があります。運用コストは不明なのですが、ロッキード・マーティンが開発モジュール式レーザー兵器車両『ATHENA』を開発しており「非常に手頃な価格で運用できる」と主張しています。ドローン以外でも迫撃砲といった高速で飛来する兵器にも対応できるため射程や性能面に関しては特に問題ないと考えられます。

迫撃砲等は迎撃出来ないものの電磁パルス(EMP)と高出力マイクロ波(HPM)で電子パーツのみを破壊することでドローン等を無力化する『Phaser』(レイセオン社)も開発されています。(参考)


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