60kW級レーザー兵器

世界各国で開発が進められている次世代兵器としてレーザー兵器があるのですが、航空宇宙大手ロッキード・マーティンは60kW級レーザーの開発が完了したとして米陸軍に納入する準備が整ったと発表しています。

Lockheed Martinは16日、世界最大となる出力58 kWのシングルビームのレーザー兵器を US Army Space and Missile Defense Command/Army Forces Strategic Commandに納入したことを発表した。Lockheed Martinが開発したレーザーは、ファイバーレーザー(fiber laser)を束ねることで、スケーラブルにレーザーの出力を増大させることを可能にしたものとなる。

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今回開発された世界最高出力とする60kW級レーザー(出力58kW)は複数のレーザーを束ねることで強直なレーザービームを生成させることに成功したとしています。またこれまで開発された同種のレーザー兵器としては最高出力のもので米軍向けとしても最高出力のものになるとしています。

ロッキード・マーティンによるとレーザーの変換効率は43%。強力な指向性エネルギーレーザーは軽量で容積が小さく信頼性が高い上、陸上・海上・空中など様々な防衛用途に運用することが可能だとしています。今後、ミッションに応じた様々な出力レベルのあるレーザー兵器を開発していくとのことです。

ロッキード・マーティンは過去40年以上に渡りレーザー研究を行なっており、レーザー兵器に関しては1980年代より研究が開始されたと言われています。同社は2015年にモジュール式レーザー兵器車両『ATHENA』として出力30kWのレーザーを使用し自動車のエンジンを破壊することに成功。当時「さらに出力を高めたものを開発する」と発表しており実際に開発されたものがこの60kW級レーザー兵器になります。