3C186

銀河の中心に存在する巨大なブラックホール。その質量は太陽質量の数百万倍~200億倍と桁違いな質量となっているのですが、80億光年先の銀河系では中心にあるはずの巨大ブラックホールが猛スピードで銀河の外に弾き出されていると報じられています。

太陽の10億倍以上もの質量を持つ超巨大ブラックホールが、銀河の中央から重力波によってはじかれ移動していることが、ハッブル宇宙望遠鏡を利用した研究で判明しました。

今回の観測では、太陽系から80億光年離れた銀河「3C186」を撮影。すでに銀河の中央から3万5000光年離れた位置にいるこのブラックホールは、現在も時速760万キロという超高速にて銀河の中心から遠ざかっています。そしてなんと、2000万年後には銀河から飛び出してしまうと予測されているのです。

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今回観測されたのは3C186という銀河です。この銀河にも私達の天の川銀河のように中心にはブラックホールがあるのですが、何らかの理由により秒速2,000km/s、時速約760万km/hという猛スピードで移動している可能性があると発表されました。

このブラックホールは天の川銀河の中心にあるブラックホール『いて座A*』の約240倍ほど重い超大質量ブラックホールで、実は2つの銀河が衝突した過程で弾き飛ばされた可能性が指摘されています。



ローマトレ大学の天文学者によると、互いの銀河が衝突したことで中心にある2つのブラックホールが接近。周囲を公転し距離を縮め合体したものの、同時に生じる重力波により自身が弾き出されてしまったという説です。

このスピードが維持された場合、2,000万年後には銀河系の外に達してしまうとしています。もちろん、私達が観測しているこの出来事は地球が誕生するはるか昔、今から80億年前の出来事であり既に銀河系のはるか外に出てしまっていると考えられます。