ファルコンヘビー

アメリカの民間宇宙企業スペースXが開発を進めているファルコンヘビーロケットについて、第2段ロケットの回収試験を実施すると報じられています。

Falcon 9ブースターの再利用の成功を受けて、イーロン・マスクはSpaceXがさらに大型のFalcon Heavyロケットのテストを実施することを発表した。このフライトでは2段目のロケットを地表に回収することも試みる。Falcon Heavyのブースターだけでなく2段目も再利用できるようにするのが目的だ。

TechCrunch Japan
ロシアのプロトンMやデルタⅣヘビーの2倍以上、日本最大のロケットH2Bと比較した場合では3倍以上の打ち上げ能力があるのは『ファルコンヘビー』ロケットです。開発に成功した場合、世界で運用されているどのロケットよりも高出力・高性能ということになるのですが、スペースXのイーロン・マスク氏によると、今年7月~9月以降に予定されている初号機の打ち上げでテストでロケットの2段目ロケットを回収する機構を設け回収試験を行うと発言しているそうです。


ファルコンヘビーロケットの構造はファルコン9ロケット1機に補助ロケットとしてファルコン9ロケットを2機を左右に搭載したもので、第2段にはファルコン9ロケットと同じくマーリン・バキュームエンジンを1基搭載したものが備わっています。


こちらの映像は2011年頃に公開されたスペースXのロケット及び補給船の回収イメージ映像です。映像では第2段は複数回姿勢を変更し減速、大気圏再突入を行い最後はエンジンを燃焼させるのではなくスラスターにより着陸を実施しています。

スペースXは第1段の回収は成功しているものの何れも高度70km以下、速度は8,000km/h程度となっています。一方、第2段は衛星の打ち上げ高度にも左右されるのですが国際宇宙ステーションの飛行高度であれば28,000km/hの速度が必要となり第2弾は本格的な大気圏再突入となるため回収は非常に難しいことが容易に想像できます。