中国ゴミ箱

燃えるゴミ、燃えないごみ、また資源ごみとして再利用可能な瓶、缶、ペットボトルなどは別に回収される日本。一方、中国では同じような生活ゴミの分別について都市部を中心に2020年までに強制させると報じられています。

2017年4月8日、環球時報によると、ロイター通信は7日、中国政府が4月に入り、北京市を含む46都市に対し、20年までに生活ごみの分別を強制させるように指示したと報じている。

人口2200万人の北京市は、中国でごみの排出量が最も多い都市で、16年は10年前の約2倍の870万トンのごみが出ている。北京市は20年までに生活ごみの完全回収を目指し、ごみ処理問題の改善と一般家庭から出る生活ごみの分別への予算を大幅に増やす計画だ。

Record China
中国ではこれまでもゴミの分別を行うよう様々な対策を実施しています。例えば1993年以降には『都市景観環境衛生条例』という所謂ゴミの分別、およびリサイクルによりゴミの量を減らそうという対策が取られました。しかし、現在も分別ゴミ箱が設置されているにも関わらず国民の意識が低いため分別されることはなくゴミが突っ込まれることが多いと言われています。

記事によると、分別を徹底させようと北京市では2010年に分別指導員なる担当者を2万人動員したものの結局失敗していたそうです。しかし今回は『強制的に分別を行わせる』としており、ごみの分別を行うことに対して懐疑的だという住人らの意識を変え分別を習慣づけさせる方向で実施していくものと考えられます。

北京市におけるゴミの排出量『870万トン』の数値がどのくらいなのか調べたところ、2013年のデータとして東京都が457万トン、次いで大阪が330万トンです。人口で見ると東京が1,330万人、大阪が884万人程度、合計でおよそ2200万人と北京市とほぼ同じになるのですが、ゴミの排出量については日本の方が80~90万トンほどゴミの量が少ないという規模になります。

中国におけるゴミの分別の失敗から見ても今回の強制が上手くいくとは思えないのですが、日本も通った道であることを考えると10年、20年という時間を必要とする長い道のりになるものと考えられます。

参考:日本の廃棄物処理の 歴史と現状 - 環境省(PDF)