KFC

ファストフードチェーン大手、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は来年末までに全商品から餌に抗生物質が含まれず育った肉から作った食品を提供すると発表しました。

米ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)が、抗生物質を使用して育てられた鶏肉の提供を、2018年末までに段階的に廃止すると発表した。同社は1年ほど前から、権利擁護団体から強い圧力をかけられていた。使用が中止されるのは、イオノフォア系など、人間には通常使われることのない種類の抗生物質だ。

WIRED.jp
記事によると、今回抗生物質を投与され育てられた鶏肉の使用禁止をした理由は、養鶏場における抗生物質が効かない病原菌、抗生物質生産菌が誕生し人々に感染する恐れがあるという理由としています。

私達人間では細菌(微生物)感染した場合や予防なのに抗生物質という薬が出されますが、これ自体は非常に身近なものです。しかし、鶏肉のように私達が普段食べている肉、果物も抗生物質が使用され育てられているというのは存知でしょうか。

もちろん全ての肉や果物に抗生物質が使用されているわけではないのですが、養鶏場や養豚といった現場では病気を予防するという目的のため以外にも抗生物質を与えると動物の成長が促進される(餌が少なくて済む)という理由から抗生物質入りの餌が与えられています。

一方でKFCは自然資源防衛協議会などから抗生物質の多用が指摘されており、過去に同議会が発表したレストラン格付けではKFCの評価がF(不合格)にされるなどその圧力はかなりのものだったとしています。もちろん、このような団体が一方的に抗生物質の投与の取り扱いを止めるよう言っているのではなく世界保健機関(WHO)も耐性菌対策として通常は使わないように提案しています。

私達が口にする牛肉、鶏肉、豚肉、そして果物には食品衛生法により抗生物質の検査が実施されており(参考)基準値を超え抗生物質が残留しているものは出回っていません。問題となっているのは残留抗生物質が食べ物経由で人体に入るというものではなく、抗生物質生産菌が誕生し人間に害をもたらす恐れがあるという理由です。