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ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池と充電池1つにも様々な仕様がありますが、米国海軍研究所はスマホや電気自動車などに多く使用されているリチウムイオン電池並の性能があり爆発しない新型充電池を開発したと報じられています。

米国海軍研究所(NRL)が、リチウムイオン充電式電池に匹敵するパフォーマンスでしかも破裂・爆発しないニッケル亜鉛充電式電池を開発したと発表しました。ニッケル亜鉛式の二次電池(充電式電池)はかなり古くから知られています。しかし亜鉛の特性上、充放電を繰り返すと枝状に析出する結晶「デンドライト」が、内部の絶縁物を破って短絡や破裂・爆発を起こす危険性がありました。

Engadget
近年様々な理由で充電池が爆発するという事故が報告されています。中には大怪我を負ったり、乗り物であれば莫大な損害を出すことにもなるのですがそんな中、米国海軍研究所はニッケル-3D亜鉛(Ni-3D Zn)電池という次世代充電池の開発に成功したとしています。

Three-Dimensional Zinc Electrode Architectures for High-Performance Batteries | Technology Transfer Office

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記事によると米国海軍研究所の行なった調査としてニッケル-3D亜鉛電池は100回の放電テストでニッケル水素電池とほぼ同じ性能を、また電気自動車など短時間の高負荷状態を50,000回以上散りばめた充放電テストではリチウムイオン電池並の性能が得られたとしています。加えて、これらの電池よりも軽量であり搭載する機器の重量を軽減することができるとも主張しています。

米国海軍研究所によると開発は既に実用段階に達しており、リチウムイオン電池の代替品としてスマホやタブレット端末、電気自動車など様々なバッテリーとして使用することができる他、使い捨ての一次電池としても利用可能だとしています。これらの電池は早ければ2019年後半にもEnZincという充電池企業が開発したものが市場に供給されるとのことです。

亜鉛ベースの充電池は安全性の高さから導入されていたものの充電能力の低さが欠点でした。リチウムイオン電池の代替品としては半導体電池セラミック半導体電池アルミニウムイオン電池など様々開発されているのですが、ニッケル-3D亜鉛のように具体的に市場に供給される時期が示されたことはありませんでした。