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商業ロケット打ち上げから国際宇宙ステーションへの物資の輸送、さらに今後有人火星探査まで行おうとしているスペースX。実はこの会社、宇宙開発だけではなく地球上のインターネットにも進出する計画があるのはご存知でしょうか。

2016年11月、アメリカ連邦通信委員会(FCC)に対して合計4,425機の人工衛星の打ち上げ許可申請を行なったのはスペースXです。現在地球の軌道上にある人工衛星は使用中・廃棄されたものを含めると4,000機程度があると言われているのですが、その数を上回る人工衛星を打ち上げ地球規模の超高速、低遅延のインターネットを構築する計画が進められています。

この計画について、今月スペースXは上院通商委員会で再度言及したと報じられています。

スペースX、人工衛星からの低遅延インターネット網計画に言及 2019年に打ち上げ開始 | sorae.jp : 宇宙(そら)へのポータルサイト

記事によるとこの計画はスペースXが開発した人工衛星を使用し、そのプロトタイプを2017年末から2018年にかけ打ち上げ2019年〜2024年にかけ地球規模で人工衛星を配置していくとしています。

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過去に報じられた内容によると打ち上げる人工衛星は質量386kgで高度1,150~1,275km(今回報じられたものによると高度1,110km~1,325km)に配置。地上施設やユーザーの端末を使用し帯域保証型の通信速度最大1Gbps(約1,024Mbps)、遅延は25ms~35msを実現するとしています。現在のところこのインターネット網を使用する利用価格などは発表されていません。

このような通信衛星を使用したインターネット接続としてソフトバンクが10億ドル出資したOneWebの計画が知られており、こちらは150kgあまりの人工衛星をスペースXと同じような地上1,200km前後に配置します。OneWebは2018年にも10機の人工衛星を打ち上げ通信テストを行い2019年頃に一部地域でインターネット接続を可能にするとしています。
現在のところどちらの回線が高品質か、より低価格なのかは比較することは出来ないものの人工衛星を使用した地球規模のインターネット網構築というレースは既に始まっていると見てよさそうです。

またスペースXは4,425機とさらに追加で7,500機の人工衛星を打ち上げより高速回線を実現させる計画も発表しているそうです。(参考)